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学ぶことが大好きになるビジョントレーニング サポートページ

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活用事例

福岡県M先生の事例

視覚機能に難しさのある子どもへの,読みの力を高める通級指導の在り方
■A児の様子

小学校1年生の2学期に,母親・担任から,ひらがなを読むことが難しいという相談があった。
・国語の授業の音読の活動をとても苦手としており,声を出さずに口だけ動かしている様子がたびたび見られる。
・国語のテストでは,問題が読めずに泣き出してしまうこともある。
・テストの際は,担任が文章や問題文を読み上げることで,書いている内容を理解することができる。
・言葉による指示は正確に理解して,自分で行動することができている。
ひらがなの読みの実態調査を行った結果,A児は50音中6音しか読むことができなかった。これらのことから,A児は,ひらがなの読み方がほぼ理解できていないことが分かり,3学期より通級指導教室を利用することになった。

■通級での指導目標

【第一段階】
〇 ひらがな50音を読むことができる。
〇 文字のかたまりを読んで,意味を理解することができる。
【第二段階】
〇 濁音・半濁音を読むことができる。
〇 2〜3語文程度の文を読んで,意味を理解することができる。
【第三段階】
〇 促音や拗音を読むことができる。
○ 多語文×5行程度の文を読んで,意味を理解することができる。

■第1段階における指導(1年生の3学期)

第1段階では,単語読み→一文字読みの順で,ひらがなの読みができることを目標とした。文字の指導とあわせて,以下のビジョントレーニングを,通級指導の始めに,5〜10分程度の時間で実施するようにした。
A児が意欲をもって楽しみながら取り組むことができるようにするために,A児と相談して内容を決めたり,「前回はここまでできたから,今日はどれだけできるかな」などの言葉かけを行い,目標を具体的にしたうえで取り組んだりするようにした。

<追従性眼球運動のトレーニング>
鉛筆を使った眼球体操,お手玉タッチ,カード分けなど
<視空間認知のトレーニング>
ジオボード,パズルを使った形の再現,体の動きを模倣するまねっこゲームなど

■第2段階における指導(2年生1学期)

第2段階では,濁音・半濁音の入ったひらがな読みに加え,カタカナの読みができるようになることと,短い文章(3〜4語文×3行程度)を読んで,その意味を理解できることを目標として文字の指導を行った。
これは,A児が使用する教科書や日常的に読むものの中には,カタカナが多く使用されており,カタカナを読めないことが,意味を理解する際に大きく関係していることが明らかになったからである。
ビジョントレーニングでは,追従性眼球運動の動きについて,まだ課題が残っているため,第1段階から引き続いて,鉛筆を使った眼球体操やお手玉タッチ,ビー玉キャッチなどを実施した。それに加えて,より目の動きに焦点を当てたトレーニングを実施するため,パソコンソフトを使ったトレーニングを取り入れていくこととした。

■第3段階における指導(2年生2学期)

 第3段階では,促音や拗音の入ったひらがな読みに加えて,第2段階で達成できなかった課題であるカタカナの単語読み,さらに,ある程度,長い文章(8語文×5行程度)を読んで,その意味を理解できることを目標に,文字の指導を行った。
ビジョントレーニングでは,追従性眼球運動だけではなく,跳躍性眼球運動の動きも高めていくために,「よくみるランド」で実施した「漢字の間」「我慢の間」「忍者の間」の課題を取り入れていくことにした。
また,この時期に学級で「お手紙」の音読大会が行われた。A児から,時々,自分の読むところが分からなくなるときがあると相談を受け,通級での学習の時に,どのようにしたら読みやすいか,一緒に考えることにした。
指差しながら読む,スリットで隠しながら読むなどのいくつかの方法を試した結果,A児は,黄色のクリアファイルの線に合わせて読むガイドを選択し,「これだったら,どこをよんでいいか,分かりやすい」と言って,教室での練習の際にも,使用することにした。
本番では,このガイドは使用せず,自分の役割のセリフを,教科書を見ながらしっかりと読むことができた。まだ拗音が入った単語を読み間違えたりする様子は見られたが,教師が支援することなく,自分で最後まで読むことができた。

■結果

第3段階終了後のテストの結果では,指導開始前と比較して,ひらがな・カタカナの一文字読み・単語読みの全ての項目において,正解した数が多くなっていた。
2年生の3学期からは,テスト問題も,全部を読んでもらうのではなく,分からない部分を伝えて読んでもらうというように,教師からの支援を少しずつ減らしている。テストに対する苦手意識も減少してきたようで,以前は,困った表情になったり泣き出したりする様子が見られたが,そのようなことは全くなくなってきた。
 また,国語の授業に対しても,「以前は,大嫌いだったけど,少し分かるようになってきたから,ちょっとだけ楽しくなったよ」という答えを聞くことができた。

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トレーニング対象者の年齢・性別

小学校1〜2年生

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事例の詳細(研究論文),文字の指導の詳細についてはこちらをご覧ください

兵庫県N先生の事例

通級での取り組み〜通常学級との連携の元に〜
 本通級指導教室では,児童全員に視覚機能のチェックを行い,必要に応じたビジョントレーニングを行っている。しかし,通級での指導は,週に1回1時間(45分)程度と非常に少ない。また,1時間すべてをビジョントレーニングに充てることはできない。そのため,通常学級での支援も不可欠であると考え,視覚機能のチェック結果をもとに,学級担任と一緒にその児童に合った支援を考えていくようにしている。

■通級での視覚機能のチェック結果
 通級指導を行っている1年生〜6年生の児童30名に,「近見視力」「眼球運動」「DEM」「VMI」のチェックを行ったところ,何らかの困難が認められた人数は以下の通りであった。

 近見視力3名,眼球運動21名, DEM(横読み速度)17名,VMI18名

 チェックの結果,実に半数以上の児童にビジョンに関する何らかの困難が見受けられた。
■トレーニングの実際
 通級指導では,学習時間の最初の10〜15分程度をビジョントレーニングの時間に充てている。視覚機能に困難がない場合でも,集中力の低下や多動性・衝動性がみられる児童にビジョントレーニングを行うことで,集中して取り組む時間が伸びる,体のコントロールができるようになるといった効果を実感している。
 視覚機能に困難が認められた児童には,さらに下記の内容からその児童に合ったトレーニングを組み合わせて行っている。

<取組の例>
【体の運動】
アヒルとハト・ラインウォーク・トランポリンなど感覚の入力・バランスボールなどで体幹運動・まねっこ体操 など
【眼球運動】
指標を用いて眼球運動・ブロックストリングス など
【視覚認知】
点つなぎ・タングラム・図形ブロック・ジオボード・迷路・間違い探し など
【協応運動】
お手玉タッチ(手,足,膝,棒を使って)・ナンバータッチ(手元,前方)・マスコピー・風船バレー・ピンポンキャッチ・テーブルピンポン・コップ積み など

■ビジョントレーニングの成果
 下記は,最初のアセスメントで大きな困難を示した[A][B]2人の児童の変容である。トレーニングの実施期間は3か月で,週1回,10〜15分を7回程度行った。

<A児>
【トレーニング前の児童の実態】
鏡文字や「ぬ」「ね」などの似た文字の書き間違い数字の「6」と「9」の読み間違いなどがあった。
【検査結果の変容】
DEM(横読み速度):120秒以上→53秒(基準値:46〜76秒)
【トレーニング後の児童の様子】
トレーニングを続けていくことで,書き間違いや読み間違いが減ってきており,書字の速度も上がってきている。

<B児>
【トレーニング前の児童の実態】
眼球運動に困難があり,読みのたどたどしさや読み飛ばし,板書を写すときの写し間違いなどの苦手さがあった。
【検査結果の変容】
DEM(横読み速度):120秒以上→79秒(基準値:36〜60秒)
【トレーニング後の児童の様子】
読みの流暢性は今後の課題としてまだ残ってはいるが,読み飛ばしもかなり少なくなってきた。板書の写し間違いが減ることで,以前にもまして学習に集中して取り組めるようになってきている。

■指導を通して
 トレーニングを継続して行うことで,児童からは「教科書が読みやすくなった。」「野球が上手になったよ。」と効果を実感した感想が聞かれている。また,保護者からは,「音読の宿題がスムーズになってきた。」「自分から本がほしいと言ってきてびっくりした。」といったお話を伺うことができた。

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トレーニング対象者の年齢・性別

小学校1〜6年生

男女

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事例の詳細についてレポートしています。

大阪府A先生の事例

小学校の通常学級での取り組み
 本校では「通常の学級における発達障がい等の子ども達への支援の工夫」をテーマに2年間の研究に取り組みました。

 毎日・3分・1年間のビジョントレーニングを含めた教育活動によって,多くの児童の視機能に何らかの改善が見られ,特に輻輳距離(より目)と図形模写に関しては,大きな変化が見られました。また,図形模写の改善傾向が2年生3年生で大きいことが特徴として見られました。以下に紹介します。

■「見る力」という視点

 最初に子どもたちの実態を正確に知るために,大学の先生をお呼びして,全てのクラスの授業を参観していただきました。すると,「目の固い子が多いですね」と,子どもたちの「見る力」についての課題が指摘されました。
 そこで,目についてのアンケートや,近見視力・追視などの視力検査を行ったところ,眼球の動きが硬く,「見え方に困り感のある」児童が,かなりの数いることがわかりました。
 見え方,つまり視機能に弱さがあると,行や文字を読み飛ばしたり,黒板をうまく写すことができなかったり,授業の進度についていくことができない等の学習での困難を生じます。視機能について学んでいくと,心当たりのある児童の名前がどんどん上がりました。「学力」以前に,そもそも「うまく見ることができていない」児童がいるのではないかということがわかりました。

■見る力をきたえることは,「学ぶ力の育成」につながる

 授業の約75%は見て学ぶものといわれています。また,昨今の子どもを取り巻くテレビやゲーム・ケータイの普及などの状況を考えると,子どもの視機能は,放置すれば悪化してしまう状況です。
 見る力をきたえることで,授業への集中力が高まったり,読む正確さがあがったり,読むスピードが速くなったりするということは,困っている児童だけでなく,「困り感のない」児童にとっても意味のある活動ではないかと考えられました。
 そこで,全クラス全児童を対象に,見る力をきたえるためのビジョントレーニングに取り組むことにしました。

■学級全体で行うビジョントレーニング

 朝の始業前の5分間や授業のはじめの時間を使って,全クラス全児童を対象にビジョントレーニングを行いました。
 どのクラスでもすぐに取り組めるように,音声CDを全クラスに配付し,トレーニングの内容には,次の3つを組み合わせました。
 ①上下・左右に親指の爪を交互に見る(サッカード)
 ②ゆっくりと円を描いて動く親指を見る(パーシュート)
 ③焦点を合わせるために目をよせる

■ビジョントレーニングの効果

1.近見視力検査(近くがどれくらい見えているか)
 116人中,改善傾向を示した子が10人。悪化傾向を示した子が4人。
 遠視の子は加齢とともに近見視力がよくなっていくことがあるが,改善した児童の中で,遠視傾向の子は1人だった。また悪化した4人も0.2以下の小さな変化であった。

2.輻輳・追視検査(どれだけ近くまで目の焦点を合わせられるか)
 改善傾向した子が58名(輻輳距離10cm以下が63人→99人に増加)。悪化傾向の子が14名(そのうち13名は,5cm→10cm等の5cm未満の変化)
 輻輳運動が改善されると,板書が写しやすくなったり,教科書を読みやすくなることが考えられる。

3.追視検査(目標物を目で追いかける検査)
 視線が目標物から外れてしまったり,顔が動いてしまったり,目の動きがぎこちないなど,何らかの異常があった児童が,40名から20名に半減した。
 追視運動は,教科書の音読や漢字の書き順などで必要になる目の動きなので,子どもの学習にもよい影響が期待できる。

4.図形模写(図形を正確に写せるかどうか)
 改善傾向が71名(悪化傾向が4名)。全問正解(5問)が21名→55名と倍増した。
 形を捉える力は,ひらがなやカタカナ,漢字の学習や算数の図形領域などの学習に必須である。

■児童の感想

 視機能の改善が大きかった2名の感想を紹介する。

<6年生女子>
 最初は,「こんなことで,目が良くなるのか」と思っていたけど,毎日毎日ビジョントレーニングをしていくうちに,教科書の字がスラスラ読めたり,一定の場所を見ていて,違うところを見ても,ぼやっとする数が減りました。」だからこれから毎日毎日ビジョントレーニングをしたらもっと目が良くなるのかな?と思っています。

<6年生男子>
 めんどくさいけど,みんなもしてるから,つづけていると,5年生のおわりぐらいに,字がぼやけて見えることがなくなっていることに気がつきました。
 「ビジョントレーニングをやっといてよかったな〜」と思いました。

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大阪府A先生の事例

トレーニング対象者の年齢・性別

小学校(1年生〜6年生,全校)

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2年生の図形模写の変化

兵庫県T先生の事例

特別支援学校への教育相談を通じて
 特別支援学校では,地域の幼,小,中,高校等に通う子どもたちの,学習や行動等についての相談にも応じています。本校の場合,視機能に関する問題で相談に訪れるきっかけの多くは2つに分けられます。

(1)病院の受診や就学相談の際に行われる検査の結果から,担当医師や心理士に紹介されて。
(2)「ひらがなが書けない」「文字をよく間違える」「漢字が覚えられない」等の理由で。

 このような相談があった場合,まず本人・保護者・先生から状況や困り感の聞き取りを行い,眼科医の受診状況を確認したり,必要があれば弱視についての説明を行います。その後,視機能の状況を調べるために,以下のようなことを,状況を見ながら選択して観察します。

■幼児
・テーブル上でのボール転がし
・近見視力
・眼球運動(小物またはライト使用)
 (追視,凝視,寄り眼,2点間)
・枠に沿っての円,ジグザグ線引き
・簡単な図形視写
・交差線追視(*1 P53,*2 P52,53)
・ジオボード
・9ドット点つなぎ

■小学生・中学生
・近見視力
・眼球運動(小物またはライト使用)
・読みの検査(DEM)
・近見,遠見視写
・簡単な図形視写
・25ドット点つなぎ
・ジオボード
・テングラムパズル
・「国語」「社会」(1,2年生は「算数」)の教科書の音読
・「国語」「算数」のノートの書字
・(小3以上,描画視写で弱さが少ない場合)Rey複雑図形(同時再生,遅延再生)

 そして,観察の結果より,それぞれ次の中から1〜数種類を選んでトレーニングとしてお勧めします。

■「眼球運動に弱さが感じられた子」に
眼球運動,マスコピー,文字読み(*1 P75をA4〜A3サイズにコピーしたものの横・縦各全文字読み,横・縦各両端の文字読み,両斜め各3往復読み),文字カードタッチ(ひらがな,数字,アルファベット),ブロックストリングス,幼児教材の線引き・迷路・数字むすび(透明のクリアファイルに挟み,ホワイトボードマーカーで書くと繰り返し使用できる),オセロ,ボール遊び,ラケットでのピンポン玉連続打ち上げ,パソコン・タブレット等。

■「視覚認知に弱さが感じられた子」に
ジオボード,点つなぎ(5×5ドット等),テングラム(ボール紙で作ったもの),各種パズル,パソコン・タブレット等。


<改善例>

■Aさんの場合 <5→6歳>  
トレーニングの内容:眼球運動,迷路線引き,ボール遊び,ジオボード,(音韻遊び)

5月
追視 頭の動き 縦4,横3       
   眼の移動 縦4,横3
   眼の揺れ 縦5,横5
図形視写  (→右の画像参照)

8月
追視 頭の動き 縦5,横5,斜め5,円5
   眼の移動 縦5,横3,斜め3,円4
   眼の揺れ 縦5,横5,斜め4,円4
図形視写 (→右の画像参照)

■Bさんの場合 <3→4年生児>
トレーニングの内容:眼球運動(ライト→指標使用),文字読み・端読み,迷路・数字つなぎ,オセロ等,テングラムパズル,(感覚遊び,行当て板活用)

1月
追視 頭の動き 縦5,横5,斜め5,円5     
   眼の移動 縦4,横3,斜め3,円3        
   眼の揺れ 縦5,横3,斜め3,円3         
寄り眼 7センチメートル(左右共白眼大きく残る)          
2点間 頭の動き 縦5,横5,斜め5            
    眼の移動 縦5,横5,斜め4            
    眼の揺れ 縦5,横5,斜め4             
遠見視写  81秒(→右の画像参照)
図形視写  (→右の画像参照)

7月
追視 頭の動き 縦5,横5,斜め5,円5
   眼の移動 縦5,横5,斜め4.5,円4.5
   眼の揺れ 縦4.5,横4,斜め4,円4
寄り眼 5センチメートル(右眼のみで追う。左眼やや離れる)
2点間 頭の動き 縦5,横5,斜め5
    眼の移動 縦5,横5,斜め4.5
    眼の揺れ 縦5,横5,斜め5
遠見視写  57秒(→右の画像参照)
図形視写  (→右の画像参照)


※【評価はいずれも :1(弱い)→5(普通)】

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兵庫県T先生の事例

トレーニング対象者の年齢・性別

5歳,小学3年生

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018_change.pdf

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Aさん,Bさんの改善の様子です

福島県T先生の事例

知的な遅れと視機能に課題のあるAくん
 通常学級に在籍する軽度の知的障がいのあるAくん(小学2年生)の事例です。
 A君は,音読に非常に時間がかかり,板書を書き写すことができないことが度々あります。漢字は線が一本足りなかったり多かったりと,形を正確に書くことができません。ひらがなやカタカナは筆圧が低く,丸みを帯びた形で書き,終点の押さえができませんでした。
 注視・追視のテストを行ったところ,寄り目ができないこと,追視時に目をスムーズに動かせないことがわかりました。また模写テストをしたところ,形をとらえたり,線の重なりを意識したりすることができていないようでした。

 視機能の問題がAくんの困難をより増加させていると考え,ビジョントレーニングに取り組むことにしました。週3回の個別のトレーニングに加え,家庭でも10分程度の課題に取り組んでもらいました。また,習得に合わせてトレーニングの内容を変えたり,その時その時のAくんの課題に合ったものを選んだりして,本人が飽きずに継続して取り組めるようにしました。家庭でも,学校でのトレーニング内容に合わせて,部分的ではありますが毎日取り組んでもらいました。
●第一段階(30分):6週間
 1 眼球運動のトレーニング……指標を使っての寄り目,指先を見よう,目のジャンプ,数字カード,カードを分別
 6週目には寄り目ができるようになりました。保護者からは筆算の時に足す数字を間違わなくなったという報告がありました。また,拡大した教科書であればスムーズに読むことができるようになりました。

●第二段階(45分):3週間
 1 眼球運動のトレーニング……カードを分別,文字さがし,ランダム読み,線なぞり,線めいろ
 2 お楽しみで塗り絵
 線めいろはよく間違うことが多くあったため色鉛筆を使って取り組みました。徐々に線を見分けることができるようになり,色の手助けがなくとも鉛筆だけでできるようになりました。きのこやリンゴなどに色を塗るなどの活動も本人の楽しみとなり,また手を使ういい運動にもなりました。

●第三段階(45分):6週間〜継続中
 1 ボディイメージのトレーニング……両手でグルグル
 2 視空間認知のトレーニング……ジオボード,テングラム・パズル
 3 お楽しみでスーパーボールのキャッチボール
 線めいろをできるようになったので,ボディイメージや視空間認知のトレーニングに移ることにしました。本人のストレスを軽減するために,比較的得意なジオボードを中心に取り組みました。初めは見本とジオボードに1から5の数字を書き,数字を照らし合わせて輪ゴムを引っかけるようにしました。初めは数字の手がかりを声かけし,一緒に「〇番から△番にかける。」などと声に出すようにしました。
 手先も不器用だったため,輪ゴムの出し入れや片付け,輪ゴムをジオボードから取ることも大事な活動としました。徐々にではありますが,難しい課題もできるようになってきています。

 ビジョントレーニングを始めて15週間,少しずつではありますが,変容が見られるようになってきました。今までほとんどできなかった板書をできるようになり,音読でのつまづきが減りました。また,塗り絵を好んでするようになりました。使う色も多くなり隅々まできれいに塗ることができています。字を書いたり読んだりする学習だけでなく,絵を描く,体を動かすなどの学習にも良い影響があり,全体的に本人の学習に対する意欲が高まりました。

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トレーニング対象者の年齢・性別

・小学校2年生

・男子

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017-hirakana.pdf
017-kanji.pdf

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書字の変化の様子です