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月刊誌 指導と評価

2001年 10月号
  1. 2001年 10月号  Vol.47-10 No.561  定価:450円
特集
  • 心の健康を育てる学校経営
  • 【在庫なし】
  • 特集

    心の健康を育てる学校経営
    筑波大学名誉教授  永岡 順

    ★子どもに知識・技術の基礎・基本を教えるとともに、「学ぶ意欲(やる気)」と「思いやり」の心をしっかりと身につけられる個性豊かな教育を行っていくことが、常に大切である。

    ★心の健康を育てる「学校の教育力」を高めるためには、子どもの学習、教師の指導が十分に展開できるような教育環境条件と学校の経営的体制を整え運営していく。

    ★教育活動の領域や学年・学級単位の枠を柔軟にして、選択の余地を大きく認め、子どもが自ら学ぶ意欲と生きる力を高めていける学校をつくる校長の指導性、教職員の活動が期待される。

    ★心の健康を育てる学校の経営改善は、学校の内と外の教育活動を支える関係者の連携と協力によって達成される。

    子どもの援助サービスを支えるシステム   学校心理学の視点から学校経営への提言
    埼玉県教育局南部教育事務所学校カウンセラー  家近 早苗・筑波大学教授  石隈 利紀

    ★学校教育は子どもへのヒューマン・サービスである。学校教育のカギを握る心理教育的援助サービスは、一人ひとりの子どもの学習面、心理・社会面、進路面、健康面における問題状況の解決を援助し、子どもの成長を促進する教育活動である。学校心理学は心理教育的援助サービスの理論と実践の体系であり、三段階の援助サービス、四種類のヘルパーなどのモデルを持つ。学校経営において、チーム援助の促進及び援助サービスのマネジメントとコーディネーションを充実させるシステムが重要となる。

    ★A中学における、生徒指導委員会、教育相談委員会、学年会における援助サービスのコーディネーションをつなぎ、マネジメントと連結する機能を紹介する。

    SGEを取り入れ、心の健康を育てる学校経営の実際(小学校)
    富山県公立学校スクールカウンセラー  水上 和夫

    ★SGE(構成的グループエンカウンター)は、集団体験を通じて、行動の変容と人間的な自己成長をねらいとしている。

    ★SGEを取り入れた学校経営が、いじめや不登校、学級崩壊の予防だけでなく、一人ひとりの子どもの心の健康のために求められている。

    ★教科、特別活動、道徳、総合的な学習の時間などのねらいの達成のために、SGEをどのように取り入れるかを工夫する必要がある。

    ★学級集団や子どもの変容をとらえ、計画→実践→評価のサイクルを見通した体制を作ることが大切である。

    心の健康を育てる学校経営の実際(中学校)
    聖徳大学助教授  関根 正明

    ★教師は生徒の心を、その生徒が示している言動、行為、表情などに感じている。生徒の心の健康は、その生徒の行為、行動、態度が健康的であることによって察知できるという観点から、生徒の行動、態度の健康ということを、教職員の衆知を集め分析し、そういう行為、行動、態度の生徒に育てたい、自らもそういう人になりたいという具体的な行動目標にまとめ上げた。

    ★その実践の粘り強さには、校長自身の修行ともいうべき実践がある。その地味な実践がそういう気運を教職員全体のものにしていく。その実践の一端を「学校つうしん」という広報活動にみるが、それがやがて教職員全体の「合い言葉」にまでなったことにこの実践の意味、重みを感じる。

    心の教育を育てる学校経営の実際(高等学校)
    東京都立足立新田高等学校長  鈴木 高弘

    ★足立新田高校はこの四年間、学校独自の改革に取り組んできた。荒廃した高校、地域の信頼を完全に失った高校を、校長としてどのように再生しようとしたかを振り返ってみた。以前は不本意入学、不登校、心身障害など課題を持つ生徒が大量に入学し、生徒の問題行動が深刻化し、結果として中途退学生徒が激増した。教員の多くは教育意欲を失い、学校としての教育力が著しく低下していた。

    ★「最底辺の荒れた高校」を生まれ変わらせるために、許された条件の下で何か効果的か、決め手となる具体策はいったい何か。本稿は学校再生にし足る施策の是非を問う中で、生徒の心に訴える教育の枠組みを考えるものである。

    心の健康を育てる学校経営のアメリカ事情
    教育臨床研究機構理事長  中野 良顯

    ★心の健康を育てる学校経営の代表的実践として、イエール大学の「学校開発プログラム」、カリフォルニア州オークランドの「児童開発プロジェクト」を紹介する。

    ★それらに共通するのは、

    1.発達的に適切な長期の学習指導

    2.個人的・社会的能力や価値の育成

    3.グループワークなどによる子ども同士の支え合い助け合いの激励

    4.学習理論に基づく詳しい授業案の作成

    5.学校学級地域の風土の改善

    6.保護者や地域住民を巻き込み学習の機会を提供する学校経営

    7.教職員の研修と現場でのコーチング

    8.子どものスキル獲得と行動の変化を追跡する評価データの収集

    である。

    連載

    新しい観点別評価のポイント(3)   小学校社会科 文部科学省教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官
    寺田 登
    新しい観点別評価のポイント(3)   中学校社会科 文部科学省教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官
    朝倉
    池田
    大杉
    パフォーマンス評価の実践的研究(6)   「社会科」 広島竹原市立竹原中学校教諭
    今川 卓爾
    教科の基礎・基本(15)   <中学校数学科>(2) 横浜国立大学准教授
    両角 達男
    新教育課程における中学校社会科の授業改善と評価   「多面的・多角的な見方を育てる教材開発と作業的・体験的な学習」 富山市立北部中学校教諭
    高瀬 一寿
    だんわしつ 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    ひとりごと 元公立中学校教諭
    吉冨 久人