トップ > 指導と評価 > 2002年 10月号

月刊誌 指導と評価

2002年 10月号
  1. 2002年 10月号  Vol.48-10 No.573  定価:450円
特集
  • 標準学力検査の今日的役割
  • 【在庫なし】
  • 特集

    標準学力検査の今日的役割
    (財)応用教育研究所所長  辰野 千壽

    ★標準学力検査は、「標準化」という手続きにより作成されている。内容は教科専門家により体系的に決められ、妥当性・信頼性が検討されている。そこで、結果は学級や学年の枠を越えて、全国的基準などと比較できる。教師の授業の偏りや評価の主観性を補うことができる。

    ★そこで、これからの教育において、次のような目的で活用できる。

    1.目標基準準拠評価の客観性を高めて、学習指導に役立たせる。

    2.教育改革の成果を確認するという教育課程改善の目的。

    3.学校の教育的責任を果たすため。

    ★しかし、他の評価方法と同様、限界もある。他の評価方法も併用し、多様な評価方法を用いるべきである。

    標準学力検査の作成の仕方と活用の仕方
    (財)応用教育研究所研究部長  長澤 俊幸

    ★標準学力検査は、一年間という長い期間をかけて実現をめざす目標が、どの程度実現できたかを確認し、評定資料を提供する。

    ★年度末における評定結果は、直接学習・指導に携わるもののみならず、管理的な立場の人々の評価活動の資料ともなる。したがって、より高次の妥当性・信頼性・客観性が求められる。

    ★標準学力検査の作成にあたっては、高次の妥当性・信頼性・客観性を保証するための工夫が凝らされている。

    標準学力検査Q&A
    (財)応用教育研究所

    Q1:標準化とは何ですか。

    Q2:過程の評価の重視が言われていますが、総括的な評価である標準学力検査はなぜ実施した方がよいのですか。

    Q3:学校裁量が拡大した新教育課程では、授業に合わせた学校独自の評価が最も大切だと思うのですが。

    Q4:標準学力検査では知識の量しか量れないのではないですか。

    Q5:CRTとNRTはどのように使い分けたらいいのですか。

    Q6:指導要録との関連で、観点別学習状況の評価や「評定」に、標準学力検査の結果をどう使えばいいのか、具体的に教えてください。

    Q7:観点別学習状況だけでなく「評定」まで目標基準準拠評価になったのに、相対的評価であるNRTを使う意義・理由は何ですか。

    Q8:CRTでは評価目標の具体化・評価規準の設定など目標基準準拠評価の手続きをどう行っていますか。

    標準学力検査の活用の実際例
    新潟県柏崎市教育委員会指導主事  堀井 重人

    ★柏崎市では小中学校が連携して確かな学力を身に付けることを目指し、「基礎・基本の定着を図る教育活動推進事業」を行っている。

    ★柏崎市立第一中学校と柏崎小学校では、この事業を推進する際に、標準学力検査CRTを活用している。まず、過去5年間のCRTの結果を分析し、それを内容面と方法面から指導改善に役立たせようとした。

    ★内容面では、9か年を見通し「重点をおく基礎学力」の洗い出しを行った。また、方法面では、個に応じた指導のあり方を、小中学校が授業交流を繰り返す中で検討した。

    ★さらに、取り組みの成果を評価する方法として、CRTにより同一集団の小学校から中学校への学力の推移をみることを位置づけた。

    外国における標準学力検査の活用状況   -イギリス-
    文部科学省生涯学習政策局調査企画課外国調査官  篠原 康正

    ★イギリスでは、標準学力検査として「全国テスト」が行われている。国の教育課程基準である全国共通カリキュラムに準拠し、生徒の達成度を評価する。

    ★全国テストは、第2、6,及び9学年を対象に、英語、数学及び理科の基本教科について行う。

    ★評価は、全国共通カリキュラムに示される評価規準に従って行われ、公表される。

    ★全国テストの結果は生徒の指導に生かされると共に、国の政策に活用されている。

    ★学校のアカウンタビリティが求められる中、全国テストは学校間の学習成果を比較する重要な指標の一つとして定着したが、行き過ぎた競争が弊害をもたらしている側面もある。

    標準学力検査のこれから
    法政大学教授  服部 環

    ★標準検査は実施要領が明確に規格化されている。標準検査を作成する手続きを標準化といい、これには検査目標の明確化、項目作成、予備実験、項目分析、本実験がある。

    ★検査作成者は手引き書に項目作成における指針、予備実験と本実験の実施要領、項目分析の方法と項目選択の基準、検査の信頼性、検査の妥当性を記載する。

    ★所与の検査得点からなされる推論の正当性が妥当性であり、検査作成者はその推論を裏付けるための証拠を累積しなくてはならない。DIF分析もその一つである。

    ★項目反応理論は項目によらない測定が可能である。

    連載

    教育評価再入門(7)   「観点別学習状況の意義と評価の仕方」 大阪教育大学名誉教授
    北尾 倫彦
    総合的な学習を支援するメディア活用(6)   「子どもの学びに生かすマルチメディア・インターネット」 茨城県つくば市立並木小学校教諭
    野村 光弘
    教科の基礎・基本(22)   中学校英語科(1) 筑波大学附属駒場中・高校教諭
    久保野 雅史
    目標準拠評価の評価規準の体系化の方策(7)   「学習内容に沿った評価規準の例-アート- 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    新しい教育評価の動向/主要論文の概説(5)   W・ハーレン 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    総合的な学習の実践と評価(14)   「子どもが学ぶ過程を評価する」 上越教育大学学校教育学部附属小学校教頭
    新井 智普
    だんわしつ 国立教育政策研究所名誉所員
    渡邉 寛治
    ひとりごと 元公立中学校教諭
    吉冨 久人