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月刊誌 指導と評価

2008年 10月号
  1. 2008年 10月号  Vol.54-10 No.646  定価:450円
特集
  • 新学習指導要領における指導と評価(2)算数・数学、理科、図画工作・美術
  • 【在庫なし】
  • 特集

    知識基盤社会、大競争時代と理数教育
    東京学芸大学名誉教授  杉山 吉茂

    ★戦後第一世代のおかげで豊かさをもたらされたわが国が、今、世界の流れに取り残されつつある。科学教育の現代化を嫌い、豊かな時代の教育を「ゆとり」に求め、入学試験を目指した教育に終始している教育界もそうである。
    ★例えば、アメリカは「コンピュータと数学を使って問題解決できる人間を育てる」ことに数学教育の目標をおいている。コンピュータを教育に取り入れることによる数学教育のレベルの高さ、授業のあり方に目を向けている。わが国でも、未来に生きる人間にとってどんな知識や能力が必要であるかを考えた教育計画を立てるべきときである。

    これからの算数教育の指導と評価  「活用する力」の育成は、思考力を伸ばし、算数好きを増やす特効薬になる
    筑波大学附属小学校副校長  細水 保宏

    ★「活用する力」の育成は、算数のよさや美しさ、考える楽しさを味わい、算数を学ぶ意義を実感することができる。したがって、思考力を伸ばし、算数好きを増やすことができる。その授業づくりのポイントは、「活用したくなる場を設定し、活用してよかったという気持ちを持たせること」である。
    ★「表現する力」の育成は、思考力を育て、やはり算数好きを増やす。

    数学的活動における活用のとらえ方
    筑波大学附属中学校教諭  坂本 正彦

    ★数学的活動の内容は、学年が進むにつれて深められていくべきである。
    ★「数学の活用」は、「探究」と「習得」を橋渡しするもので、数学的活動の3つの場面それぞれになされるべきである。
    ★数学の授業は、数学教師にとって探究対象そのものである。

    活用型の授業のめざすもの  算数・数学の活用型の授業と活用型の学力の評価
    青山学院大学教授  坪田 耕三

    ★新しい学習指導要領の目標にうたわれた「活用しようとする態度」を育成する授業とは具体的にどうするか。「活用力」とは何かを分析し、それを1.深める(発展)力、2.広げる(応用)力、3.使える(適用)力、4.つなげる(関連)力、5.作れる(創作)力、6.読める(分析)力の六つに分けて考えてみる。

    活用力を育てる小学校理科の授業
    國學院大學非常勤講師  森田 和良

    ★入力が重視されてきた理科学習に、活用という出力場面が設定されることで、「わかったつもり」を排し、「確かな学力」を身につけることが期待できる。
    ★活用力は、「課題内容に直接的に関係する活用力」は当然だが、知識・技能を活用させても問題解決に至らないことも、以後の教訓としてとらえ「間接的に関係する活用力」ととらえたい。活用場面では、原理原則に立ち戻り、総合的に判断することが求められる。だから、「わかったつもり」にも気づく。ここから教訓が学べる。

    これからの中学校理科の指導と評価  追加された内容の指導例と思考力・表現力を育成する指導例
    筑波大学附属中学校教諭  金子 丈夫

    ★新学習指導要領改訂では、理科の授業時数・内容が増えたので、軽重をつけて、思考力や表現力を鍛える授業場面を積極的に増やす工夫ができる。
    ★理科での思考力や表現力は、求められている課題に答えるように文章に表現するをくり返し行うことで鍛えられる。間違ってもよいからまず自分のノートに書く、友達の意見などよく聞いて修正する、という姿勢をもたせたい。

    これからの小学校図画工作の指導と評価
    東京学芸大学准教授  西村 徳行

    ★新学習指導要領の改善方針では、子どもたちの学びを生活や社会なども視野に入れた、有機的な学びとしてとらえている。
    ★表現や鑑賞の活動を通して、子どもたちが自分自身の感覚や感じ方、表現の思いなどを十分に働かせることを重視しながら、そこで育てたい資質や能力を明らかにし、それらが学習の過程でどのように働くのかを検討しながら、それぞれの場に応じた授業として、具現化していくことが求められている。

    これからの中学校美術の指導と評価
    お茶の水女子大学附属中学校教諭  小泉 薫

    ★美術の学習を通して養われる資質や能力を、「子どもの学び」という視点でとらえ、学習のプロセスを重視した系統的な指導が求められている。
    ★「ものづくり」を基本とした表現形態や表現方法に主眼をおいた学習から、生徒一人一人の体験を生かして表現や鑑賞の活動につなげられる授業を構築していく必要がある。
    ★美術文化について広い視点でとらえ、鑑賞教育をさらに充実させる必要がある。

    連載

    坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり  「わかる」と「できる」−基礎・基本の考え方(28)表やグラフの指導 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    PISA型読解力を育てる(3)  PISA型読解力を育てる国語教育 国立教育政策研究所総括研究官
    有元 秀文
    教育評価の現状と課題(7)  教育評価の手順(4)まとめ 文教大学学園長・応用教育研究所長
    石田 恒好
    指導要録から学力調査までの試案(1)  連載の目的と枠組み 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    教師力を磨く(7)  気持ちに寄り添う対応を 筑波大学附属中学校教諭
    小林 美礼
    新しい教育評価の動向/主要論文の概説(19)  R.D.クリック「学習方法に関する学習:学習能力に関する動的な評価」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    ネット時代の読書論(7)  紙の本・電子の本(その2)−電子化の「功」と「罪」 東京家政大学教授
    平山 祐一郎
    教育の窓(3)  国語科教育で拡散的思考の推進を 聖徳大学教授
    福沢 周亮
    だんわしつ  なぜ、いま「モンスター時代」に入ったのか 浪合こころの相談室
    諏訪 耕一
    ひとりごと 元公立中学校教諭
    吉冨 久人