月刊誌 指導と評価

2008年 9月号
  1. 2008年 9月号 Vol.54-09 No.645  定価:450円
特集
新学習指導要領における指導と評価(1)国語、社会、音楽
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特集

言語教育を重視した国語科教育の指導と評価

文部科学省教科調査官・国立教育政策研究所教育課程調査官  井上 一郎

★今回の改訂では、各教科等を貫く学力として言語活動の充実が求められている。言語能力については、自分の考えに基づいて読解したり記述したりすることを各教科等で向上させるとともに、国語科では、新しい内容の構成に応じた年間指導計画を構想し、3領域1事項の内容のそれぞれの能力を定着させることが重要である。

これからの小学校国語科の指導と評価

大阪府四條畷市立四条畷小学校長  尾﨑 靖二

★活用は知識・技能の習得を活かした探究に欠かせないプロセスである。活用の力を育てるには、知識・技能の習得のあり方から考える必要がある。意欲を醸成する導入や自己学習力を高めるワークシート作り等が大事になる。

これからの中学校国語科の指導と評価

宇都宮大学准教授  飯田 和明

★「言語活動例」に示された学習活動を、学年の系統性を意識しつつ、授業実践に向けて解釈していく必要がある。学習内容は、知識としてのみ集積されるものではなく、次の学習段階への活用においても学ばれる。習得から活用に至る段階で現れる生徒の思考・判断に注目し、表現活動における書くことによる学習展開を開発しなければならない。

これからの小学校社会科の指導と評価

宇都宮大学准教授  飯田 和明

★社会科において「活用する力」は、1.習得して得た知識、概念、技能等を自在に操れるようになること、2.獲得した知識や概念を社会参加的な活動に活用する力、3.新たな価値を創り出す活用力、の三つである。また、社会科のねらいは「公民的資質の基礎を育成する」ことであり、道徳の規範意識の育成と、よりよい社会の実現をめざす資質・能力の両面が大事である。

これからの中学校社会科の指導と評価

元大正大学教授  館 潤二

★社会科公民的分野での活用力の育成については、知識の獲得は現実社会と関連させ、知識の「習得」自体が「活用」を通して、課題を「探究」する中で行われるべきである。公民的分野の目標にある「基礎的教養」は、身に付いた知識・能力・態度を意味し、それは道徳の時間で育てたい資質でもある。

これからの小学校音楽の指導と評価

筑波大学附属小学校教諭  熊木 眞見子

★[共通事項]は、歌唱・器楽・音楽づくり・鑑賞の活動と密接なかかわりがあり、「表現」と「鑑賞」をつなぐものでもある。各活動と[共通事項]をいかにかかわらせて指導計画を立てるかが、今後の重要な課題である。道徳との関連は、「音楽を愛好する心情」の点から図るとよいのではないか。

これからの中学校音楽の指導と評価

筑波大学附属中学校教諭  中村 昌子

★中学校音楽の前提は、生徒どうしがのびのびと協力し教えあい、相互に批評できる信頼関係を築き、その上で「真の音楽体験」を持たせることだ。「言語活動」は「音楽文化についての理解」を深める具体的な体験活動にも有効。言語化されることで、タイムリーかつ正確な生徒把握、指導・助言および評価につながる。[伝統や文化に関する教育の充実」は、生演奏に接し、体験することが重要。

連載

坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり  「わかる」と「できる」-基礎・基本の考え方(27)-重さ 青山学院大学教授
坪田 耕三
言語によるコミュニケーション能力を育てる(6)  医療の場における言語によるコミュニケーション能力を育てる 東京医科大学病院卒後臨床研修センター助教
阿部 幸恵
教育評価の現状と課題(6)  教育評価の手順(3) 文教大学学園長・応用教育研究所所長
石田 恒好
PISA型読解力を育てる(2)  PISA型「読解力」を育てる趣旨は、学習指導要領にどう反映されたか 群馬大学教授
河野 庸介
教師力を磨く(6)  教師としての力量を高めるために 筑波大学附属中学校教諭
小山 浩
新しい教育評価の動向/主要論文の概説(18)  W.M.Irenka Suto&Jackie Greatorex「採点者の用いる方略の数量的研究」 教育評価総合研究所代表理事
鈴木秀幸
ネット時代の読書論(6)  紙の本・電子の本(その1)-「紙の本」から人は離れるか 東京家政大学教授
平山 祐一郎
教育の窓(2)  「新学習指導要領で理科はどう変わるか」 広尾学園中学校・高等学校副校長 元筑波大学附属中学校副校長
角田陸男
どうする?小学校英語(33)  「英語活動」で育まれる資質・能力と「道徳」の内容をリンクさせよう! 国立教育政策研究所名誉所員
渡邉 寛治
だんわしつ  ジョン万次郎に学ぶ-「生きる力」をはぐくむモデルとして 前千代田区立お茶の水小学校校長
羽豆 成二
ひとりごと 元公立中学校教諭
吉冨 久人
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