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月刊誌 指導と評価

2011年 4月号
  1. 2011年 4月号  Vol.57-4 No.676  定価:450円
特集
  • 指導と評価を一体化した授業づくり(1)国語、社会、英語、音楽、家庭
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  • 特集

    指導と評価を一体化した授業づくり
    文教大学学園長・応用教育研究所長  石田 恒好

    ★よい授業とは、その目標をすべての子どもに、生き生き、楽しく実現させる授業である。「生き生き、楽しく」は、教育の理想である自学自習になっている証である。
    ★授業づくりの核心は、目標の具体的設定である。すべての教師に、指導の仕方が見え測定の仕方が見えるところまで具体化できれば、各教師なりに最高の指導ができ、適切な評価ができるので、目標が実現できる。
    ★指導と評価を一体化は、授業のサイクル(システム)に、評価を(事前)、途中、終わりと組み込み、そのときどきに、教師の指導、児童生徒の学習、管理職の教育環境の整備・管理・運営をチェックし、補習などの対応で、目標を実現することによって成り立つ。

    指導と評価を一体化した授業づくり−小学校国語
    秋田大学教授  阿部 昇

    ★国語は授業で子どもたちに身に付けさせるべき学力の具体があいまいである。そのため「指導と評価の一体化」が実行しにくい。物語「スイミー」では、導入部の人物設定が、山場で大きな意味を発揮する。また、説明文「すがたをかえる大豆」の説明の順序は、それ自体重要な工夫・しかけと言える。例えばそのような明確で具体的な物語や説明文のしかけを学ぶことを国語の授業の目標・ねらいに設定することができれば、評価は容易となる。
    ★PISA「読解力」の影響で批評的・批判的な国語の力が重視されるようになったが、これらも目標・ねらいとして重要な要素と言える。国語科の教科内容の体系化・系統化を進めることで、「指導と評価の一体化」の実現が可能となる。

    指導と評価を一体化した授業づくり−中学校国語
    宇都宮大学准教授  飯田 和明

    ★現在にいたる教育の流れをとらえながら、これまでに培われてきた「評価」に関する成果をいまにつなげ、「指導」の実際の姿を勘案させつつ、「指導と評価」における現在の課題を見いだしていかなければならない。
    ★授業計画・指導の系統性・評価計画を綿密に策定することが、授業としてのリアル感を損なうことのないように留意すべきである。そのためには、指導における「教材化」が機能するモメントを意識するとよい。
    ★国語学習の大まかな構造とその中で行われる学習の目的とを教師と生徒が共有し、授業っでの国語学習を、生徒各自の言語生活の向上に結びつけようとすべく、言語活動を組織することが肝要である。
    ★「身につけられた国語の力」をめぐって、教師・生徒の双方がリフレクションを働かせ、授業中の発見や新たな産出の結果を生徒の声として教室に響かせることで、思考力、判断力、表現力の向上を図っていきたい。

    指導と評価を一体化した授業づくり−小学校社会
    京都府長岡京市立長法寺小学校教頭  鈴木隆純

    ★四観点の中では「社会的思考・判断」の評価がいちばんむずかしく、その評価を指導計画に具体的に位置づけることが授業改善につながる。
    ★内容構造図を作成し、単元のつながりを把握しておくことが大切である。
    ★よい資料を吟味して提示することが大切である。
    ★「おおむね満足できる状況」(B)規準を具体的に児童の言葉で表し、想定しておく。そのことが、C規準の児童への具体的な支援にもつながる。

    指導と評価を一体化した授業づくり−中学校社会
    大正大学任期制教授  館 潤二

    ★中学校社会科の公民的分野における指導と評価を一体化した授業づくりは、学習が基本的には抽象概念の理解であり、言葉の表面上の意味が目標になってしまったり、語句説明を中心とした指導が行われたりしがちである。授業においては、生徒の生活や社会でのできごとなど具体的な事例を取り上げることが必要である。
    ★社会科公民的分野の単元の指導目標を立てるには、学習指導要領の目標に書かれているいくつかの概念を相互に関連づけた、構造化された単元全体の理解が前提となる。
    ★社会科公民的分野における学習内容は、生徒が誤った意識や認識を持ちやすいものだけに、事前の診断的評価とその結果の変容を見る形成的評価が必要である。また、生徒の誤りを自ら正させるためにも、自らの考えを記述させたり、生徒どうしの話し合いを取り入れるなど、言語活動の充実が必要である。

    指導と評価を一体化した授業づくり-中学校外国語科−
    筑波大学附属中学校主幹教諭  肥沼則明

    ★「できない」「やるつもりがない」評価計画をやめ、本当に「やる価値のある」「できる」厳選された評価計画を作成することが大切である。
    ★教師個人や教科、学校、地域で「育てたい生徒像」を構築する必要がある。また、それを映像等の具体的なイメージで持つことが大切である。
    ★「育てたい生徒像」に迫るには平素の地道な指導を充実させる必要がある。また、その評価はそれを専用に行う時間を設定して行うようにする。
    ★正当な評価を行うためには、生徒の力を最大限に高める指導を行ってからでなくてはならない。

    指導と評価を一体化した授業づくり-小学校音楽−
    筑波大学附属小学校教諭  高倉 弘光

    ★新学習指導要領では、子どもの思考・判断・表現が重視されている。音楽科においては、感受したことをもとに表現を工夫したり、想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどしたりすることがこれまでにも増して大切になってくる。
    ★これまで音楽科の評価は、ともすると技能面や知識面にとどまっていた傾向があるのではないか。これからは、子どもがどのように音楽を感受し、どのような思いをもって表現を工夫しているのかを適切に評価し、指導に生かしていくような授業を展開することが望ましい。その際、教師と子どもの言葉を用いた「やりとり」が、指導と評価の一体化を実現させるカギとなると考えている。

    指導と評価を一体化した授業づくり-小学校家庭科−
    十文字学園女子大学教授  流田 直

    ★本稿では小学校(中高も同様)における家庭科の課題の中で指導と評価の一体化をめざした授業づくりを紹介する。身近な生活課題から実践を通して学ぶ家庭科は子どもにとって有意義な教科であるにもかかわらず、実践する時間の保証が難しくなっている。そんな中で他教科や他領域と連携してでも時間を生み出し実践を位置づける必要性を感じる。なぜなら今を生きる子どもにとって生活し続けることはその人の人生を紡いでいくからである。少しでも健康に心豊かに心安らぐ生き方が人生を楽しく有意義につくっていくからである。あわただしい現代社会だからこそ一人一人が自分にとって何が大切かを感じ取り、日々生きていくことにほかならない。家庭科の役割は大きい。

    連載

    教室でできる特別支援教育(1)これならできる!各地の実践紹介 名城大学教授
    曽山和彦
    ●これからの小学校国語の授業づくり(1)「読むこと」1年生−文学 筑波大学附属小学校教諭
    青山由紀
    ●坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり 「わかる」と「できる」基礎・基本の考え方(58)−小学校五年、棒グラフ、円グラフ 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    ●これからの小学校社会科の授業づくり(1)3年生 東北福祉大学特任教授
    有田 和正
    ●中学校外国語科の評価(1)中学校外国語科の在り方について  国立教育政策研究所名誉所員
    渡邉 寛治
    ●教師のための発達心理学(1)発達とは何か 筑波大学教授
    桜井 茂男
    ●小学校英語活動のポイント(24)PDCAサイクルによる「外国語活動」の運営の在り方と方法−その4(年間指導計画作成の基本2) 国立教育政策研究所名誉所員
    渡邉 寛治
    ●学校の法律相談(1)なぜ法律の知識が必要か 国立教育政策研究所名誉所員
    菱村幸彦
    ●教育の窓−評価の効率化と簡略化 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    ●だんわしつ/「只管清掃」 長野県木島平村立木島平中学校教諭
    太田智明
    ●ひとりごと/静かさを聴く 元公立中学校教諭
    吉冨 久人