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月刊誌 指導と評価

2013年 12月号
  1. 2013年 12月号  Vol.59-12 No.708  定価:450円
特集
  • 活用する力を育てる
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    活用する力を育てる
    神奈川大学特別招聘教授   安彦 忠彦

    ★「活用力」は、とくにOECD/PISAなど国際的動向に影響された「実社会・実生活に生きる力」を重視する現行の学習指導要領が強く求めている。学習指導要領では、「基礎・基本」を実生活上の問題に「活用する」ことが求められているが、実際はレベルの違う二つの種類がある。一つは、教科学習で習得した知識・技能を活用する、教科学習内部の「活用型学習」(俗称)によるもの、もう一つが、教科を超えた実際的な問題を扱う総合的あるいは発展的な学習における活用力育成の学習である。前者の育成が鍵となる。

    確かなことばの力の育成−思考力・表現力の向上−
    広島県三次市立十日市小学校指導教諭  大澤八千枝

    ★問題解決のための「ものの見方・考え方」「思考の方法」を身に付けさせることが、活用する力となる。そのためには、「教材を確かに読み、教材を超える」ことを目指した単元構想が必要である。
    ★様々な情報に対して、その妥当性を吟味・評価し、自分の考えを作り上げる思考過程が重要である。
    ★児童に、学習した知識や技能を使えば、課題が解決できたという実感を伴った活動場面を設定することが必要である。 

    中学校国語 二領域を有機的に結びつける「聞き書き」単元―個別化を図り、学習者自身が学びをメタ認知する―
    千葉県柏市立豊四季中学校教頭  佐藤智子

    ★「全国学力・学習状況調査」の内容や結果から、「知的好奇心の刺激、学びたくなる単元の構想、ゴールに書く活動を設定」「習得⇔活用 のスパイラル、活用のために習得が必然となる学習」が必要だと分析できる。
    ★「聞き書き」は、「話す・聞く」と「書く」の二領域を有機的に結びつけることができ、意欲が高まる。「実の場」の中で「相互交流能力」を身につけられる、大変有効な学習であり、活用する力を育てることができる。
    ★活用する力を育てるには、「一人一人、テーマやトピックを自分で決定するなど、個別化を図る」「学習者自身が自分の学びをメタ認知し、自ら課題を発見できるようにする」などの視点が大切である。

    「覚える算数の授業」から「考える算数の授業」へ
    東京都江戸川区立新堀小学校主任教諭  石川大輔

    ★「活用する力」を育てるには「考える算数の授業」を日々、実践ことが大切である。
    ★「考える算数の授業」を実践するには、教師が、活用すべき見方や考え方、知識や技能を、明確にもつことが大切である。
    ★活用する力を伸ばす「算数的活動」を取り入れた授業とその手だてを探る。

    中学校英語
    筑波大学附属中学校教諭  久保野りえ

    ★いきなり応用させても「活用」はできない。
    ★教科書の英語にリアルなイメージを持たせる。どんなにシンプルな英文も、実生活に十分使えることを実感させる。

    社会科における「活用」と思考
    兵庫教育大学大学院教授  米田 豊

    ★社会科における「活用」とは、習得した基本的知識や基礎的知識を、新たな学習場面で使うことである。これらの知識を「活用」するためには、子どもの脳内にある「引出し」の中に整理して収納しておくことが大切である。つまり、意味内容の習得が重要となる。
    ★社会科における「探究」とは、生活経験や既に習得している知識を「活用」して、「仮説→検証」の過程をへて、新たな基本的知識や基礎的知識を習得したり、未来予測・価値判断したりする学習過程である。この学習過程で、子どもたちは知識を活用するための「思考」を行っている。

    総合的な学習の時間の探究プロセスが育成する「活用する力」
    國學院大学教授  田村 学

    ★習得した知識や技能を実社会や実生活の場面でも自在に使いこなすことができる「活用する力」の育成が求められている。総合的な学習の時間の実践を積極的に行った学校などにおいては、全国学力・学習状況調査のB問題などで成果が出ている事例が増えている。総合的な学習の時間を通して「活用する力」を育成するためには、探究のプロセス(_歛蠅寮瀋蝣⊂霾鵑亮集→整理・分析→い泙箸瓠ι集宗砲砲いて、各教科との関連を意識した学習活動を行うことが欠かせない。

    連載

    特別支援教育のさらなる充実を求めて(8)保護者とのパートナーシップ 東京成徳大学教授
    田村  節子
    学級づくりと特別活動(8)学校行事を通して学級を育てる 北九州市教育委員会指導第一課長
    大庭正美
    新しい教育評価の動向(29)H・ジョーンズ「思考力指導法に関する考察;思考力研修プログラムを教師はどう評価しているか」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    小中学校国語の授業づくり(9)小学校「書くこと」−児童も指導者も、目的を見失わない言語活動を取り入れる 東京都東村山市立東萩山小学校主任教諭
    下田聡子
    小中学校外国語教育のあり方(9)中学校2年英語の授業の実際 埼玉大学附属中学校副校長
    牛久裕介
    どうする?小学校音楽の授業(5)「音楽づくり」の授業をどうするか? 筑波大学附属小学校教諭
    高倉 弘光
    教材で子どもが輝く小学校社会科の授業(9)上越市高田の雁木通りから何が見えるか?-雪国の生活の工夫が見える 東北福祉大学特任教授
    有田 和正
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(16)4年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    小学校理科の授業づくり(21)理科における「言語活動の充実」と問題解決 文部科学省教科調査官
    村山哲哉
    教育測定・統計入門(21)混合計画に基づく分散分析 法政大学教授
    服部 環
    学校の法律問題(9)教科書採択権の所在 日本女子大学教授
    坂田 仰
    投稿/体育科ボール運動−WALL・BALLの実践 三重県いなべ市立三里小学校教諭
    前田幹夫
    だんわしつ/「灰色」の学校 前筑波大学附属中学校教諭
    生江洋一
    ひとりごと 元公立中学校教諭
    吉冨 久人