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月刊誌 指導と評価

2015年 12月号
  1. 2015年 12月号  Vol.61-12 No.732  定価:450円
特集
  • 新学習指導要領に期待する
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    新学習指導要領の全体的枠組みから期待されること
    静岡県立袋井高等学校教諭  鈴木 秀幸

    ★新学習指導要領では、評価の在り方も一体として検討される体制が作られている。
    ★教育課程の構造化の中で、思考力や判断力が明確化されることが期待される。
    ★発達段階を踏まえた評価基準を設定することで、高次の技能の評価が可能となる。
    ★学習内容中心のカリキュラムから、プロセス中心のカリキュラムへの転換が始まっている。

    新設「道徳科」への期待
    東海大学教授  朝倉 徹

    ★平成二七年三月に公示された新しい学習指導要領において「道徳科」が新設された。
    この改正によって、特定の道徳的価値を指導することは明確に否定され、「考え・議論する道徳」が提唱された。
    ★正解を探そうとしたり、自分の意見や感想をただ述べればよいだけの授業はなくなる。世の中に存在する多様な考えや立場、それが生じる背景や理由を知り、社会に目を開かせる。
    ★そして、そのことについてクラスメートや先生と話し合いながら、自分の意見を疑い、さらに考え、自分自身を変えていく。道徳科は「哲学する授業」になる。

    英語教育の改訂への期待
    埼玉大学附属中学校副校長  牛久裕介

    ★さまざまな期待を背負う学校教育に寄せられる期待は、ますます大きくなっている。その中で英語教育についても新しい提言がなされ、めまぐるしく変化していると感じられる。
    ★次期学習指導要領の改訂に向けて、小学校中学年からの外国語活動の導入や、中学校で基本とされる英語での授業、高等学校での言語活動の高度化などが検討されている。これらを実現し、児童生徒が求める資質や能力を身に付けるために、考慮すべき点を例示する。

    国語科の改訂への期待
    早稲田大学文学学術院教授  森山卓郎

    ★日本の国語教育は世界に誇ってよい。言語活動の充実という方向性も正しい。
    ★しかし、いまだに書く力は弱い。言語活動も形骸化していることがある。主体性ということが子どもへの丸投げになっていることもある。これでは力はつかないのではないか。
    ★そこで、「〜ができる」という結果をおさえた、数字も含めた具体的な基準が必要である。その基準には一定のエビデンスが必要である。
    ★コミュニケーション力、他科目との連携など、教科の垣根を越えた協働も必要である。

    社会科の改訂への期待
    大阪教育大学教授・附属平野小学校長  峯 明秀

    ★教育課程企画特別部会において、次期学習指導要領の論点整理が示された。注目すべきは高等学校社会系教科の仮称科目、歴史総合、地理総合、公共である。各科目の内容に関する課題として、(1)近現代史における見方・考え方の中立をどのように保障するのか、(2)社会認識と社会参加の技能・態度の関係はどのようになるのか、(3)「18歳選挙権」政治参加にどのように関与するのか、(4)地理を学ぶことの意味・意義は何か、学問体系の中で作られた既存の教科の枠組みの見直しと教科再編の中での教員養成について意見を述べる。

    算数・数学科の改訂への期待
    青山学院大学教授  坪田 耕三

    ★義務教育レベルの改訂では、あまり大幅な内容移動を考えないことも一つの見識である。
    ★算数的活動及び数学的活動について、今後も充実したものを維持したい。帰納的に考える、類推的に考える、演繹的に考えることはもっと拡げたい。
    ★低学年の目標にある「感覚を豊かにする」ことには、具体的な例示も必要である。
    ★これまでの改訂で、立体図形の学習が少なくなってしまった。これを平面図形との関連で豊かなものにすることを考えたい。
    ★「計算の仕方」を子ども自身が考えることを強調すれば、授業レベルを今以上に能動的なものにできる。
    ★中学2年の学習時間数を増やす。現在の時間数はいかにも少なすぎる。

    新学習指導要領に期待する−理科 
    宮崎大学教授  中山 迅

    ★次期学習指導要領の理科には、科学の本質の理解に基づく具体的な探究能力の明示や、学習内容を埋め込んだ文脈の設定などを期待したい。そのことが、科学的知識を社会生活で有効に活用し、的確な思考・判断を行う市民を育成するための鍵となるであろう。また、それによって、児童生徒が主体的に問題解決や探究の活動に取り組み、生きてはたらく知識を学ぶアクティブラーニングの授業が成立しやすくなるであろう。

    連載

    QUで学級集団づくりと学力向上を図る/魚沼市の小さな学校の取組ー菫帆阿陵融 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    特別支援教育のさらなる充実を/学習面の問題にどう対応するか−学校心理士の立場から 聖徳大学教授
    東原文子
    「学校づくり力」アップセミナー/豊かな道徳心が高まる学校づくり 岐阜聖徳学園大学教授
    玉置 崇
    目的別文章の書き方/論理科−考える力を育むことばの教育 十文字学園女子大学特任教授
    内田伸子 
    感度を高める言葉の教育/理解語彙と使用語彙 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
    石黒 圭
    学校づくり/アクティブ・ラーニングで汎用的な力を養う川崎小学校の教育 神奈川県川崎市立川崎小学校長
    吉新一之 
    新しい教育評価の動向/P・ブラック「形成的評価の現状/形成的評価−楽観的ではあるが不十分な構想 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(40)6年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    教育測定・統計入門/母数の推定とモデルの評価 法政大学教授
    服部 環
    だんわしつ/アートが根付くイタリアの音楽科教育研究調査を通して 奈良学園大学講師
    瀧明知恵子
    学校の法律問題/職員会議の採決停止 日本女子大学教授
    坂田 仰