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月刊誌 指導と評価

2015年 5月号
  1. 2015年 5月号  Vol61-5.No.725  定価:450円
特集
  • コンピテンシーと21世紀型能力
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  • 特集

    コンピテンシーとその育成の必要性
    上智大学教授  奈須 正裕

    ★コンピテンシー・ベイスの教育は、教育に関する主な問いを、従来の「何を知っているか」から「どのような問題解決を成し遂げるか」へと転換するとともに、学力論の大幅な拡張と刷新を求める。
    ★学習の転移は期待したほどには生じない、コンテンツ・テストの成績は将来の成功を十分に予測しないなどの心理学的知見が、コンピテンシー・ベイスの教育の重要な契機となった。
    ★知識基盤社会の到来が、コンピテンシー・ベイスの教育の必要性を決定的なものとした。

    21世紀型能力の背景にある学習理論
    東京大学教授  白水 始・静岡大学大学院(RECLS)特任助教  遠山紗矢香

    ★本編では、「基礎力、思考力、実践力」からなる「21世紀型能力」をいかに育成していくかについて検討する。育成のポイントをひとことで表現するならば「使って、育てて、21世紀を生き抜くための『21世紀型能力』」というものになる。
    ★そのための一つの方法として、子どもにとって身近で解きがいのある課題を設定し,子どもがもともともっている資質・能力を存分に使えるような学習活動をデザインすることあげられる。以下では、資質・能力を育成する授業づくりのイメージについて、研究成果とともに紹介する。

    コンピテンシーベース論に補足する
    神奈川大学特別招聘教授   安彦 忠彦

    ★「コンピテンシー」と新語を使っているが、すでに現行の学習指導要領でその能力論は部分的に導入されており、まったく新しい考えではない。実際の生活場面で生きる「実力」とほぼ同義であり、活用力のことと考えて、現在の教科学習や総合的な学習で育てているものをさらに徹底して育てればよい。また、育てるべきものは「人格」全体であり、能力はその「部分」にすぎないという位置付けを忘れず、さらにそれを「手段」として育てるのであって、それを何のために使うのかを吟味する「主体」の形成の方がより一層重要である。

    コンピテンシーの展開と指導法-ヨーロッパの事例を中心に
    神戸学院大学教授  立田慶裕

    ★OECDのキー・コンピテンシーは、PISAをはじめとする国際的な学力調査の概念的基礎とされている。ヨーロッパではECが独自のキーコンピテンスという概念を提言し、各国がその概念を参照し教育計画を構想している。日本でも近年の学習指導要領にこうした考え方が導入されているが、その基本は、多様な問題に対応できる思考力の育成にある。学習指導においても、個々の思考力を育てる一方で、協働学習を通じた集団的な思考力スキルを育てていくことが重要である。

    21世紀型スキル−アメリカの事情
    山口大学教授  佐々木 司

    ★アメリカにおける21世紀型スキルは、3R’s+4C’sという図式で表すことができる。とくに注目されるのは、批判的思考力、コミュニケーション能力、協働、創造性の4つからなる4C’sである。グローバルなビジネス世界における競争で勝つには、教えられたことを学ぶだけでなく、敬意を払いつつ批判的に検証し、根拠を示しながら自らの主張を述べ、他者を説得できるようなアクティブな能力が求められる。基本的にはアクティブであることを強いるものであるが、その一方で、教育方法や教育環境を複数用意し学習者に選択させる方向性もみられる。

    資質・能力を基軸としたカリキュラム・授業の創造
    新潟県上越市立大手町小学校長   加藤誠雄

    ★これからの社会を切り拓いていくための資質・能力を【探究力】【情報活用力】【コミュニケーション力】【創造性】【自律性】【共生的な態度】の六つとし、これらの基盤を【内省的な思考】であると考える。
    ★「こうしたい」「もっとこうしたい」という思いや願いを基に、自分の知識や技能を駆使し、協働的に問題解決に向かう学習が成立したとき、一人一人のもっている資質・能力が十分に発揮されると、私たちは考えている。

    社会に生きて働く思考力・判断力・表現力の育成を目指した授業の創造          
    鳴門教育大学附属中学校教諭  上原鳥

    ★本校では「社会に生きて働く思考力・判断力・表現力の育成を目指した授業の創造」と研究主題を設定し、各教科の連携による教科横断的な能力の育成を通してそれらの力の育成を目指すこととした。具体的には、すべての教科に共通する思考・表現過程を明らかにするとともに、その過程で行われる思考・表現を促す方法として「すべ」を用いる。ここでは、例として音楽科の研究実践を紹介する。

    連載

    「学校づくり力」アップセミナー(2)学級経営力が高まる学校づくり 岐阜聖徳学園大学教授
    玉置 崇
    QUで学級集団づくりと学力向上を図る(2)東京都狛江市の取組_霪前の実態 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    チーム援助で特別支援教育のさらなる充実を(2)特別支援教育における教師とスクールカウンセラーとの協働 北海道教育大学函館校専任講師
    本田真大 
    目的別文章の書き方(2)基本用語の説明−要約・要旨・はじめに・結論・段落・パラグラフ− 文部科学省初等中等教育局教科書調査官(体育)
    渡辺哲司
    感度を高める言葉の教育(14)/コサアの力 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
    石黒 圭
    学校の法律問題(26)いじめ自殺の「再調査」 日本女子大学教授
    坂田 仰
    新教育課程における教育評価(2) 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    道徳をこれからどう指導したらよいか(2)ウェビングで多角的思考力と意思決定力を育む 千葉県習志野市総合教育センター指導主事
    松田憲子
    わたしたちの学校づくり(12)誇りと志をもって、ふるさとに貢献できる生徒の育成−学校課題への挑戦を通して 元盛岡市立玉山中学校長
    根田真江 
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(33)6年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    教育測定・統計入門(37)因子分析における諸問題 法政大学教授
    服部 環
    だんわしつ/校長としての責任のとり方 福岡市教育センター研修指導員(元福岡市立長尾中学校長)
    岸川 央