月刊誌 指導と評価

2019年 3月号
  1. 2019年 3月号 Vol.65-3  No.771  定価:450円
特集
カリキュラム・マネジメントの実践
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特集

カリキュラム・マネジメントと管理職のリーダーシップ

甲南女子大学教授  村川雅弘

★中教審答申等のカリキュラム・マネジメントに関する文言を紐解くと、これまで学校現場が行ってきたことの延長線上にあることに気づく。先行き不透明な時代を生き抜くための資質・能力の育成の鍵を握る、日々の授業における「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、各種学力調査や子どもの実態等を踏まえての目標の設定や日々の教育活動の見直し・改善、校内外の資源活用が求められる。とくに、増加傾向にある若手教員の実践力向上には、ワークショップ型の授業研究・校内研修が有効である。多様な個性をもつ教職員をリードするうえで、次代を見据えたビジョンとその具現化の方策、伝えるコミュニケーション力・言語力などが管理職に求められる。 

学校力・教師力を向上させるカリキュラム・マネジメント

大阪教育大学教授  田村知子

★学校組織としてのカリキュラム・マネジメントの取組とは、学校全体で子どもの教育課題や教育目標、力を入れて取り組む教育活動などを共有化して組織的かつ計画的に教育活動を行うことである。学級や学年、教科を越えて学習内容や学習方法が重層的につなげられたり繰り返されたりすることにより、子どもは学び方を習得し、知識が転移する学びを経験したりすることになる。
★カリキュラム・マネジメントは、教職員個人を一定の型にはめ込むことではない。むしろ教職員一人一人が当事者意識をもち、子ども・学校・授業などの課題やめざす方向性について考え、同僚と意見や実践を交流させ合意点を探り、組織としての取組を創造していく過程である。その過程で教職員間の学び合い、俯瞰的視野の醸成、指導力の向上が期待される。

カリキュラム・マネジメントの実践―小学校「読解力を基盤とする教科の学習とパフォーマンス評価」

京都市立高倉小学校長  岸田 蘭子

★高倉小学校では読解力の育成を基盤としたカリキュラム・マネジメントを行いながら、教科でめざす資質・能力を育ててきた。教科の力を引き出す学習のあり方を求めて、パフォーマンス評価に基づく単元設計による授業実践研究を重ねている。
★新学習指導要領でめざす学びを生活に生かすレベルの学力に向け、魅力的で挑戦的な課題、その学びの姿を見取るパフォーマンス評価のあり方について単元をつらぬく学びのストーリーを、そして子どもの学びの意欲と思考する必然性をどう生み出せばよいのかについて述べる。

カリキュラム・マネジメントの実践−小学校

新潟県上越市立大手町小学校長  大野雅人

★各学年で作成する視覚的カリキュラム(年間指導計画)は、年間を見通した教育活動を可能にする。構想の際には、探究(生活科・総合的な学習の時間)を中核に置くことで、問題解決において育成した資質・能力を統合的に発揮させる。また、拘制によるマネジメントによって、視覚的カリキュラムを子どもの実態に寄り添ったものにしていく。
★単元と視覚的カリキュラム、学校グランドデザインを融合させるためには、それぞれを可変と捉えた職員による議論が必要である。校内でのマネジメントだけでなく、保護者・地域住民の教育活動への参加、評価を生かして、カリキュラムづくりを行う。

「読解力」を核としたカリキュラム・マネジメントの実践

横浜国立大学附属横浜中学校教諭  池田 純

★「読解力」の育成を目指したカリキュラム・マネジメントにおいては、「読解力」を「情報を読み取る」こととともに、「解釈」や「熟考・評価」を基に自分なりに「論述」することを含むものと位置付け、学習活動に「読解力」を発揮・活用する場面を効果的に配置することが重要となる。本校では、「パフォーマンス課題の適切な実施」と「総合的な学習の時間を軸とした学びの往還」を重点項目として、学校全体をあげて実践してきた。その中で、ゴールまで一定の距離をもつ課題を設定すること、「受信」だけでなく「発信」も重視した言語活動等を活発にすること等が、「読解力」の育成に効果的であることを確認した。

カリキュラム・マネジメントの実践−小中一貫教育−

広島県呉市立警固屋中学校長  齋藤 美由紀

★小中一貫教育の取組を進めるに当たっては、中学校区において「育てたい児童生徒像」を掲げ、小・中学校の教職員が同じ方向を向いて、義務教育9年間の教育を組織的に展開することが重要である。
★また、義務教育9年間を終了するにふさわしい学力と社会性を育成するには、各中学校区において「主体的・対話的で深い学び」を実現するための資質・能力を設定し、教科等横断的な学習や、発達段階に応じ系統的に関連させた「カリキュラムマップ」を作成し,実践していくことが望ましい。

連載

巻頭言/「確かな証拠」でPDCAの確立を 文教大学学園長・応用教育研究所長
石田 恒好
「教師力」アップセミナー(12)学びの共同体をつくろう 帝京平成大学教授
白鳥 信義
QUを活用したPDCAサイクルの推進(12)新学習指導要領の理念を具現化するカリキュラム・マネジメントのあり方−まとめとして− 早稲田大学教授
河村 茂雄
『きめる』学びで知的にたくましい子どもを育てる−主体的・対話的で深い学びを実現する授業づくり−(12)英語活動の「きめる」学び 筑波大学附属小学校教諭
荒井和枝
説明文・意見文を書くことの指導(12)皆でよく考える説明文・意見文 文部科学省初等中等教育局教科書調査官(体育)
渡辺哲司
続説明文・意見文を書くことの指導(1)目的別文章の基本類型とその書き方−描写・説明・意見・説得 名古屋大学教授
渡邉雅子
特別寄稿/社会性を育てるスキル教育−小中連携による9年間の取り組み− 埼玉県熊谷市教育委員会教育研究所指導主事
木下友子
新しい教育評価の動向(55)D・クーン「メタ認知能力の発達」 教育評価総合研究所代表・『指導と評価』編集委員
鈴木 秀幸
特別支援教育に生かすペアレンティング(12)大人と子どもが互いに楽しみ合うポジティブな雰囲気を家庭や学級で作る(2) 子育て科学アクシススタッフ
上岡勇二
こうすればうまくいく!スペシフィックSGE(1)失敗を恐れない! スペシフィックSGEのリーダーに 会津大学教授
苅間澤勇人
コミュニティにおけるガイダンスカウンセリングの展開(12)心理臨床とガイダンスカウンセリング(幼保巡回相談での連携と協働の中で) 青山動作法ラボ非常勤講師
丸山陽子
成熟した学習者をめざして(11)自分の学びに自信がもてる子どもを育てる−道徳の実践を中心に− 東京学芸大学附属世田谷小学校教諭
面川怜花
これからのキャリア教育(12)キャリア教育で進めるべき評価 筑波大学人間系教授
藤田 晃之
教育統計・測定入門(75)能力値の十分統計量 法政大学教授
服部 環
講座カウンセリング心理学(12)日本におけるカウンセリング心理学の拓く道 東京成徳大学名誉教授
國分 康孝
教育の窓(39)中教審答申(2016)は教育課程部会報告(2019)でどうなったか 「指導と評価」編集部
「指導と評価」編集部
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