月刊誌 指導と評価

2021年 12月号
  1. 2021年 12月号 vol.67-12 No.805  定価:450円
特集
❶個別最適な学びと協働的な学び❷フィールドで学ぶ
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特集

巻頭言/求同求異の教育

大阪教育大学名誉教授  北尾 倫彦

特集❶個別最適な学びと協働的な学び/自らに最適な学びを自力で計画し、実行できる子どもの育成

上智大学教授  奈須 正裕

★個別最適な学びとは、指導の個別化と学習の個性化からなる個に応じた指導を、ICTの進化と導入などを踏まえ、学習者視点で整理したものである。そこでは、今このときに自分に必要な学びとは何かを自己決定し、自己調整する経験を質的、量的に豊かに提供することが望まれる。そのような学びを学校教育に位置づけることで、万事が不確定で不透明な未来社会をたくましく生きる資質・能力の育成が可能となる。

特集❶個別最適な学びと協働的な学び/ネットワークでつながる学び―1人1台端末が可能にする「個別最適な学びと協働的な学び」

奈良教育大学教職大学院准教授  小﨑 誠二

★1人1台端末の実現は教育の可能性を大いに拡げる。重要なのはネットワークでつながって学ぶという発想である。
★ネットワークと端末を活用すれば、いままではむずかしかった全員で協働する学びが可能になる。また指導者は個々の学びの様相をとらえた効果的な指導も可能になる。
★ICTは学習活動の自由度を上げるものととらえ、指導者も学習者も失敗を恐れず試行錯誤を楽しむマインドが求められる。

特集❶個別最適な学びと協働的な学び/「学習の個性化」の側面から見る「グローバルシティズンシップ科」の実践

埼玉県立伊奈学園中学校教諭  松倉紗野香 

★本稿では、研究開発学校としてグローバルシティズンシップ教育にかかわる実践と研究を進めた埼玉県上尾市立東中学校を事例に、同校の実践を「学習の個性化」の側面から紹介する。同校では、社会とのかかわりを重視するとともに、単元で扱う学習内容や学習方法を生徒の決定にゆだね、その決定に基づいて学習が展開された。こうした社会とのかかわりと、自己決定を重視した学習を展開する際の教師の役割について論考する。

特集❶個別最適な学びと協働的な学び/心理学からみた「個別最適な学び」―適性処偶交互作用とプログラム学習を中心に-

東北大学教授  宮本友弘

★心理学では個人差は重要な研究テーマであり、学習指導の文脈では、1950年代に「適性処遇交互作用」と「プログラム学習」が提起された。
★両理論の基本的な考え方は、「個別最適な学び」の2つの側面のうち、「指導の個別化」と軌を一にしている。
★学習観のパラダイムシフトとテクノロジーの進展を踏まえて、両理論を再考することで、「指導の個別化」に対する認識を深めることができる。

特集❷フィールドで学ぶ/五感を総動員して学びを広げ・深める

東京学芸大学名誉教授  河野義章

★教室を出ての体験学習は、教育課程のさまざまな場面で取り組まれている。とくに長期の自然体験学習が推奨されている。
★子どもたちがフィールドで学ぶとき、五感が総動員されエピソード記憶が豊かになる。これにより学びが強固なものになる。
★体験学習のための情報源が増えてきた。個性あるプログラムの開発に役立てたい。

特集❷フィールドで学ぶ/私たちの琵琶湖を守りたい―20年目の「ヨシ行けどんどん作戦」

滋賀県長浜市立びわ中学校教諭  田中玄伯

★琵琶湖のヨシ群落保全活動「ヨシ行けどんどん作戦」の新しい育苗方法を開発した。
★理科の授業において、長浜バイオ大学を活用し、生態系のベースであるプランクトン学習を実施し、生徒の学びを深めた。
★本校の教職員が共同で執筆した道徳科の読み物教材を活用した授業が今年で10年目を迎えており、伝統化している。
★環境の専門家を招聘して環境学習会を実施した。また、生徒の環境学習の指導を行い、生徒集会や地域で成果発表をさせた。

特集❷フィールドで学ぶ/多摩六都科学館の挑戦―学校連携・支援事業を中心に

多摩六都科学館館長  髙柳雄一

★当館は地域に根ざす公共施設として、来館者が科学の世界にふれて不思議と出会い、興味を同じくする仲間と一緒に科学を楽しむ場をつくることをめざしています。
★来館者の半数以上を占める子どもたちに対しては、教室外ならではの学びを追究し、工夫を凝らした実験・観察・工作等のプログラムを提供しています。本稿では、学校教育との連携を意識した当館の事業を中心に紹介します。

特集❷フィールドで学ぶ/海から山へ―林間学校としての宿泊行事再開

東京学芸大学附属世田谷小学校教諭  堀井孝彦

★臨海学校に長年利用していた施設があったが、耐震性と老朽化の問題により、利用を見合わせることになってしまった。代替策を探すべく教員たちが知恵と経験をもとに話し合い、富士山麓にある宿泊施設を拠点にして、林間学校を開催することになる。釣りや虫取り、自然公園での諸活動、サイクリングや写生、写真撮影など、海から山へフィールドを変えて実現できるようになった。

特集❷フィールドで学ぶ/いま求められる学習林活動とは―時代の移り変わりをとおして考える

鶴岡市立西郷小学校長  本間活人

★学習林活動は時代の流れ等に合わせて、さまざまに形を変え現在にいたっている。
★学習林活動は、環境にやさしい生き方を学べる、発展性のある学びが広がる、地域に誇りと愛着をもたせ郷土愛を育むことができる等、教育的価値が高い。
★学校現場では働き方改革が求められている。今後、学習林活動を再検討する際には、地域・家庭と総ぐるみで協働実践する等、方法をともに考えることが大切である。

特集❷フィールドで学ぶ/野外での体験活動による学び―自然環境教育の視点から

特定非営利活動法人奈良地域の学び推進機構監事 自然環境教育機構株式会社代表  三宅基之 

★奈良市青少年活動センターでは、北欧発祥の「森のムッレ教室」を基盤にした自然体験活動を実践しています。自然とともに生きる野外生活の考え方を基本に、身近な自然から世界のとらえ方を学びます。
★子どもたちが自然体験を通して自立的に学ぶ力を身につけるために、テーマにそって、習得と探究のプロセスを埋め込んだプログラム設計を工夫しています。

今月のイチオシ!!実効ある目標準拠評価⑥ペーパーテストの改善:中学校数学―「思考・判断・表現」を中心に

教育評価総合研究所代表理事  鈴木秀幸

連載

「教師力」アップセミナー 子どもとともに成長する教師をめざして(7)生き方を問い続ける教育!―総合的な学習の時間篇 神奈川県川崎市立宮崎中学校教諭
町田 憲二
事実を伝え、意見を述べる、自ら進んで取り組む「書くこと」の指導(9)社会問題に向き合い、人々の「声」を立ち上げるために書く―「伝えたいこと」を生み出す単元設計 東京学芸大学附属国際中等教育学校主幹教諭国語科
杉本紀子
読解力の育成(9)近現代文学作品における論理的読解の意義 専修大学文学部教授
髙橋龍夫
いまどきの特別支援教育(9)通級指導教室における実践と課題―自己表現と感情の言語化を中心に 埼玉県春日部市立備後小学校
寺口由岐子
実践に生かす 学校心理学(5)シリーズのまとめ 東京成徳大学教授・筑波大学名誉教授
石隈 利紀
ガイダンスカウンセラーの挑戦(9)公立中学校の教師としての実践―受け継がれるシステムをつくる 東京都公立中学校教諭
笠さわ子
学びを広げる・学びを深める(8)読みを深める―メタ認知研究から 筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授
長南浩人
教育統計・測定入門(99)間接効果の信頼区間の推定方法 法政大学教授
服部 環
人間関係づくりのための基本姿勢-「ほめる」ことで成長につなげる② 福岡教育大学・九州栄養福祉大学非常勤講師(元福岡市立長尾中学校校長)
岸川 央
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