月刊誌 指導と評価

2022年 5月号
  1. 2022年 5月号 vol.68-5 No.810  定価:450円
特集
❶これからの教師に求められる資質・能力❷心理的安全性のある学校・学級
  • 入会(年間購読)へ
  • バックナンバー購入へ
  • 【在庫あり】

特集

特集❶これからの教師に求められる資質・能力/これからの教師に求められる資質・能力と研修

甲南女子大学教授  村川雅弘

★先行き不透明な次代を生きるための資質・能力は、意識して日々の授業に取り組むことでより定着が図られる。
★授業を含む教育活動全般で重要なのは「子どもの実態を把握し改善に生かすこと」「子どもにとっての意味や意義を問いつづけること」「子ども自身が情報端末を有効活用すること」である。
★資質・能力の育成は個々の教師の力では限界がある。同僚や保護者、地域の人等との関係を構築し進めていきたい。

特集❶これからの教師に求められる資質・能力/生徒指導に求められる力量

関西外国語大学教授  新井 肇

★生徒指導は「あらゆる教育活動に内在する機能」であり、「すべての児童生徒を対象にすべての教師が行うもの」である。
★生徒指導の力量として、①わかる力、②生かす力、③つながり、対話する力、④負の力(Negative Capability)、が必要である。

特集❶これからの教師に求められる資質・能力/教師に求められる学級経営の力とは

京都文教大学准教授  大前暁政

★学級を安定させるために、「学級開き」の重要性と学級づくりの「システム化」が言われてきました。この2つを実現させるとともに、これからの時代は、①個人の自立と、②切磋琢磨できる集団づくりを意識すべきです。これらのゴールを達成するためには、子どもに任せて見守るコーチングやファシリテーションの力が教師に求められます。

特集❶これからの教師に求められる資質・能力/管理職に求められるマネジメント力-「やめる」「任せる」「備える」改革マインドで学校運営に挑むー

前大分大学教育学部附属小学校長  時松哲也

★学校管理職に求められる資質・能力は多岐にわたるが、ここでは今日的な課題対応の観点から、①脱・前例踏襲による業務の見直し、②ミドルリーダーの育成、③安全・安心を守る危機管理、について整理した。

特集❶これからの教師に求められる資質・能力/特別な支援が必要な児童生徒への対応

東京都調布市立飛田給小学校長  山中ともえ

★特別な支援が必要な児童生徒の対応は、特別支援学級や通級指導のみに任されるのではなく、すべての教師が身につけるべき資質・能力である。①児童生徒理解を進めるために、専門的な助言を得ながら、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成すること、②ICTの活用を踏まえ、指導内容や方法の工夫を進めること、③よりよい支援や指導のために、組織的な対応を図ることの3つの視点から、これからの教師に求められる力について述べる。

特集➋心理的安全性のある学校・学級/心理的安全性のある学校づくり

湘南学園学園長  住田昌治

★教職員も子どもたちも関係性を丁寧に築くことで、「安心して言える」「恐れなく行動できる」という心理的安全性が高い学校の空気が整います。
★校長には、サーバント・リーダーシップが求められますが、これは教職員、さらには児童生徒にもあてはまります。大人も子どもも区別なく、お互いをリスペクトすることで心理的安全性が高まるのです。

特集➋心理的安全性のある学校・学級/心理的安全性のある職員室づくり

岡山大学准教授  三沢 良

★職員室の風とおしのよさを反映した心理的安全性は、教師が協働するために重要な組織風土である。筆者らの調査から、教師集団のチームワークは協働的で心理的安全性の高い風土により促進されることが示されている。こうした風土づくりのために、率直な発言に伴う対人不安を理解したうえで、チームとしての目標の共有、失敗への寛容さの醸成、対話の積み重ねといった協働の基盤づくりに取り組む必要がある。

特集➋心理的安全性のある学校・学級/心理的安全性のある学級づくり

文教大学非常勤講師・山村学園短期大学非常勤講師  原田 友毛子

★心理的安全性のある学級とは、「いごこちのよい学級」であると考える。いごこちをよくするためにはお互いが助け合ったり、認め合ったりして皆が協力し、学級の中に自分の居場所を見いだせる必要がある。それによって「仲間意識」が醸成され学級への準拠性が高まる。
★そのために教師は①ルールを確立させ、②あたたかい人間的交流(リレーション)をつくる必要がある。その具体的手だてについて示していきたい。

特集➋心理的安全性のある学校・学級/心理的安全性のある授業づくり

上越教育大学教授  佐藤多佳子

★一見「否定的な意見」も、協働の学びを深めるきっかけになることがある。基盤となる「心理的安全性」との関係を軸に、知的であることの愉しさを引き出す授業づくりについて述べる。

特集➋心理的安全性のある学校・学級/教師の創造性に火をつける、保護者との心理的安全性の温かさ

さいたま市立植竹小学校教諭・筑波大学大学院博士後期課程  一色 翼

★教師の創造性の発揮に関しては、半世紀以上にわたって議論されてきたものの、国内での検討は乏しい。そこで筆者は、創造的な教育実践についての検討を重ねるとともに、「保護者に対する心理的安全性」との関連を研究してきた。
★一色・藤(2020)では、創造的な教育実践の内容は6カテゴリおよび3つの方向性へと大別されることに加えて、保護者に対する心理的安全性が高い教師ほど創造的実践を実施しやすいことが示唆された。

連載

巻頭言/学習指導と「教授スキル」 文教大学名誉教授
平沢 茂
目標準拠評価を教育に生かす⑴連載のグランド・デザイン 教育評価総合研究所代表理事
鈴木秀幸
事実を伝え、意見を述べる 自ら進んで取り組む「書くこと」の指導(14)国語以外の教科(他教科)が担う役割 文部科学省教科書調査官(体育)
渡辺哲司
読解力の育成(14)中学校国語(文芸作品の指導)-読書会を通じた学習者集団づくり 学習院中等科教諭
甲斐伊織
真正の構成的グループエンカウンターによる学級づくり⑵1年を見通した学級づくり  大阪青山大学
鈴江秀一朗
大阪成蹊大学教授
米田 薫
学校コミュニティ危機への緊急支援⑵学校コミュニティ危機への緊急支援  九州産業大学
窪田由紀
教科書をひらいて授業を創る⑴改めて教科書を問い直す 東京学芸大学名誉教授
河野義章
教育の窓(52)書評/渡邉雅子著『「論理的思考」の社会的構築-フランスの思考表現スタイルと言葉の教育』岩波書店 2021年 文部科学省教科書調査官(体育)
渡辺哲司
TOP