家庭学習の知恵・三訂版 辰野千寿著  ※電子書籍版のみ

学校と家庭が協力して「主体的に学習に取り組む態度」を育てるヒント

遠隔授業で子どもをどうやって学習に没入させるか。魅力的な教材の開発とともに、子ども個々の動機付けが鍵となる。対面指導が難しい状況だからこそ、子ども一人一人が主体的な学習者として成長するための学び方のトレーニングが必要だ。

辰野千寿著『家庭学習の知恵』は、「自分から進んで勉強する子ども」の育成について、家庭でできる知恵を多数紹介している。学習能率に影響を与える様々な要素が列挙され、多くは心理学の知見に基づいている。初版は1969年だが、学校と家庭が協力して、「主体的に学習に取り組む態度」を育てる際のチェックリストとして、今でも役立ちそうだ。

当時の先端研究を踏まえながら幅広い要因を取り上げており、著者の先見性や視野の広さに驚かされる。様々な環境に置かれ、様々な方略を自ら試していく中で、子どもは一人前の学習者へと成長していく。その中には各々がしっくりくる学習方法や動機付けとの出合いもあるだろう。自分に合った学び方を見つけることは、自己調整学習の第一歩といえる。本書にアクティブラーナー育成の原初をみた。

当初、標準検査「Academic Adjustment Inventory:AAI(学習適応性検査)」の結果を家庭で生かすとのコンセプトで企画されたが、検査実施の有無にかかわらず参考になる。本書を含む辰野千寿の「学習指導実践シリーズ」全5巻は電子版でリリースしている。興味をもった方には一読をおすすめしたい。

主な目次(家庭学習の知恵・三訂版)
◆勉強のしかたと成績
◆やる気のおこし方
◆勉強の計画のたて方と実行のさせ方
◆じょうずな授業のうけ方
◆本の読み方・ノートのとり方の改善
◆試験勉強のしかた
◆勉強部屋の生かし方
◆友人関係の改善のしかた
◆自主的態度の伸ばし方
◆学習スタイルの生かし方
◆教科の勉強法
ほか

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