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特集
自立した学習者を育てる/自立的な学習者の育成のために、どこまで子どもにゆだねるか-『自立』のために必要な支援・指導-
★コロナ禍を経て学びのデジタル化やユニバーサル化が進むなか、自立的な学びは、未来の学びの基盤となる。
★自己調整学習や自己決定理論などの研究から、単に子どもに任せるだけでなく、適度に理解や習得を促したうえで、子どもの思考や興味を重視する支援・指導が有効である。
★自由進度学習やプロジェクト型学習など有効な手法は存在するが、真に『子ども自身が主体性を実感できているか』を確認しつつ実践することが肝要である。
自立した学習者を育てる/「自立した学習者」を育てる授業のアイデア-「やったらできた」の自己肯定感が、進んで学ぶ生徒をつくる
★「自立した学習者」育成のヒントとして、筆者が工夫してきた「生徒の頭が働き、学ぶ喜びを実感できる」アイデアを紹介する。①不登校生のための高校で実践した、習得学習を自力で進めるスキル教育の授業。②生徒自身が小説や論説文に区切り線を入れ、自力で読解していける技法。これらの方法論は、生徒自身の気づきを重視している。「やったらできた」喜びは自己肯定感となり、生徒を成長させる。
自立した学習者を育てる/自立的な学習者に求められる、「上手な頭の働かせ方」(学習方略)
★自立した学習者であるためには、効果的な学び方(効果的な学習方略)が重要です。では効果的な学び方とは一体どのようなことを指すのでしょうか。また学校の教育目標とはどう関係するのでしょうか。そして、どのようにすれば、学校で育成していけるのでしょうか。学校で取り入れられる具体的な工夫を、実践とともに紹介します。
自立した学習者を育てる/自律した学習者を育てる-子どもと教師でつくる「学びのものさし」-
★本校では研究主題を「自律した学習者を育てる」と掲げ、実践・研究を積み重ねている。2年次研究では、目標に対する学びの手応えをもとに、必要な学習内容や方法を選択・決定し、学び進めていくことができるように、生活経験や興味・関心に応じて、選択・決定することを子どもに委ねた。本稿ではその取組の一端について、2年次研究で見取った子どもの姿をもとに解説する。
自立した学習者を育てる/自己調整学習の基礎を育てる学び方の指導
★学び方の指導の根拠を明確にする:「学習指導要領解説特別活動編(学級活動等)」、令和3年1月中央教育審議会答申「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」。
★学び方の指導を見える化する:⑴メタ認知の機能と自己調整学習、⑵メタ認知の機能に基づく学び方の指導、⑶スタディ・ログの活用(学習目標・テスト結果・学び方の自己評価など定期記録のICTツール)、⑷学級活動における学び方の指導計画。
自立した学習者を育てる/自立的な学習者を育てる学級経営
★自立的な学習者を育てるために、「主体性」という言葉の意味を吟味し、学習や生活において、子どもたちが主体性を発揮するための条件を考えてみた。主体性の発揮には「目標と学習と評価の一体化」という考え方が有効である。また、この考え方を進めるためには、ファシリテーションの考え方と技術が教師に必要になる。従来の「教える教師」から「子どもと共に学び、寄り添う教師」への転換が求められている。
自立した学習者を育てる/「自立した学習者」を育てる発達支持的生徒指導の視点
★「自立した学習者」を育てることを発達支持的生徒指導の視点から考えたとき、最も大切なことは「子どもの力を信じ、支える」ことである。ただ子どもにすべてを任せるのではなく、子どもの話を関心をもってよく聴いて受けとめ、子どもの興味や関心事を支える構えでいることで、子どもは自分の力を発揮できる。それは教師だからこそできる基本的でありながら、とても重要な役割である。
自立した学習者を育てる/認知処理様式を考慮した「自立学習」の促進
★現在、教科学習などの学びに関しても多様性があることが、発達障害、特に学習障害の子どもたちへの支援の仕方において言われています。さらに、障害者権利条約の実施状況に対する日本への勧告の中には「“通常”の学級で学べない子がいることを問題視し、分離された特別支援教育の中止に向け、障害のある子もない子も共に学ぶ『インクルーシブ教育』に関する国の行動計画をつくる」ことが求められました(竹内、2022)。ニューロダイバーシティという考え方も出てくるなか、どのように「個別最適な学び」(文科省、2021)を実現するのか、認知神経心理学的な視点から、授業改善の方法について述べます。
自立した学習者を育てる/UDLで学びのエキスパートを育てる
★UDLは、単にそのときの学習支援ではなく、学習者として成長できるように学習環境を整えて児童生徒に働きかけることにより、学習者が自らの学びを舵取りできる学びのエキスパートになることをめざす。本稿で紹介するUDL実践を考察するなかで、教師が学習環境を整えて子どもたちの学びに伴走することで、教室の中で学びを舵取るという経験を積むことができ、一人一人の学びが自立していくことが示唆された。
自立した学習者を育てる/ピアフィードバック(相互評価)で自立的な学習者を育てる
★自らの学びを評価する力を高めることは、自立的な学習者育成の中心課題です。その手だてとして学習者どうしのピアフィードバック(相互評価)を取り入れることがとても効果的です。ただしピアフィードバックは、子どもどうしに信頼関係がないと、効果がないばかりか逆効果になる場合があります。子どもたちの人間関係に影響を与えるのは、学級集団の状態です。自立的な学習を育てるための基盤づくりと、建設的な相互作用を生む学級集団づくりを、同時に段階的に進めることが大切です。
連載
巻頭言/「自立した学習者」を育てる学校・授業のあり方 | (一財)総合初等教育研究所 北 俊夫 |
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生徒との対話を通して個別最適な学びをめざす 書く力を中核とした授業改善(6)新しい価値を創出する「論文活動」(1)-「事実(知識)」を組み上げる | 神奈川県川崎市立宮崎中学校教諭 町田 憲二 |
ここまでは押さえたいⅡ 目標準拠評価を教育に生かす(28)理科の評価(1) | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
読解力の育成(小学校実践編)(15)「学び方」を学ぶ-リフレクション型国語科授業の展開 | 筑波大学附属小学校教諭 白坂洋一 |
述べる・説明する・論じる 認知的な動詞の意味(5)/「解釈する」「吟味する」「方針の決定」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
言語技術としての「事実と意見の区別」(7)欧米型の「テクスト分析と解釈」に必要な事実の詳細な考察 | つくば言語技術教育研究所 三森ゆりか |
わたしたちの学校づくり 道志中学校-NINO、NRT、Q-U等の検査およびその結果を生かした実践② | 元公立中学校校長、日本国語教育学会山梨県理事 杉本 賢二 |
宿題と家庭学習(1)教室と家庭をつなぐ宿題と家庭学習の昔といま、そしてこれから | 東京学芸大学名誉教授 河野義章 |
「ほめる」を考える(7)コーチングスキルとほめる技術 | 成城学園初等学校教諭 秋山貴俊 |
心を育てるエクササイズ(7)「足じゃんけん」-自由な心(FC)の表出とソーシャルスキルを高める- | 会津大学教授・学生部長 苅間澤勇人 |