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特集
❶学びの充実に向けた教育DX/教育DXは何をめざすのか
★GIGA端末整備が進む一方、日本の教育DXは活用が不十分で、AI活用率も国際的に低い。教師は一斉学習から脱却できず、教師の想定する答えを重視し、創造性が育ちにくい構造がある。しかし、全国には、DXによって学びを大きく変革した先進事例が存在する。Society5.0時代に必要な資質・能力を育むためにも、教師はデジタルと実体験を統合した探究的な学びを創ることが求められている。
❶学びの充実に向けた教育DX/「自立した学習者」の育成に向けて
★予測困難な時代を背景に、社会と接続する都立高校では、デジタル端末を活用して、生徒一人一人の興味関心に応じた学びを深めていくことが不可欠である。そこで、DX、制度、教員・組織の観点で学校のあり方を見直し、学びの選択肢を増やしていく取組を開始した。デジタルとリアルを組み合わせ、教員が生徒に伴走し、LMSを活用することで、生涯に渡り主体的に学ぶ力を身に付けた「自立した学習者」を育成していく。
❶学びの充実に向けた教育DX/デジタルとアナログのほどよいバランスを求めて
★市内でも有数の大規模校であるさいたま市立日進中学校(長岡有実子校長、生徒数853名)では、生徒ファーストのDX実現に向けて、先生方の試行錯誤が展開されている。その取組の現状や課題について、同校の学校DX推進部の先生方に話をうかがった。
❷スクールロイヤーの活用/スクールロイヤーの仕事とは
★スクールロイヤーは、学校に関与する弁護士をいい、いじめや学校事故など学校で起こる様々な問題に法的な助言を行う。教職員だけでは対応困難なトラブルの増加や訴訟リスク、法令遵守の必要性からさらなる制度の普及拡充が期待されている。2017年度頃から文科省が活用調査を始め、2019年の千葉県野田市の小学生女児童虐待死事件などを経て導入が加速した。おもな業務は法的助言だが、代理業務や面談同席、研修も担う。
❷スクールロイヤーの活用/リーガルマインドを生かした学校体制づくりー不祥事防止の校内研修ー
★教職員に求められるリーガルマインドとは、単に知識として法律を知っているということではなく、知識を使っていかに問題解決へと導くかという技能です。スクールロイヤーによる研修では、法律や条文の知識を超えてより問題解決に資した法的素養を身につけられるとともに、教育的観点と法的観点の両側面からの気づきが得られます。研修の実効性を高め、不祥事防止の学校体制づくりに資するものといえます。
❷スクールロイヤーの活用/不登校への対応ー背景要因を視野に入れて(スクールロイヤーができること)ー
★不登校の原因は様々であるが、特にいじめによる不登校は、結果の重大性や保護者対応のむずかしさゆえに、法的な理解を前提にした対応が必要不可欠である。また、不登校事案では、児童生徒の特性を踏まえ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携が必要になる場合もある。スクールロイヤーは、学校から早期に相談を受けることによって、学校の対応の誤りを減らし、現場のストレス軽減を図ることができる。
❷スクールロイヤーの活用/いじめを行った児童生徒への対応ースクールロイヤーの視点からー
★いじめの定義は広く、いじめを行ったと訴えられた児童等の保護者に対して、傷ついた児童等への支援を最優先する法の趣旨をしっかりと共有することが重要です。深刻な事案では警察連携や出席停止も検討が必要ですが、法律上は必ずしも厳しい指導を要するとは限りません。いじめの定義の広がりから指導のむずかしさが増しており、スクールロイヤー等複数の視点で検討し、バランスのとれた対応をすることが求められています。
❷スクールロイヤーの活用/保護者対応におけるスクールロイヤーの活用と問題点
★保護者対応で学校が悩むケースでは、法律問題とそうでない問題が混在しているケースが多いので、スクールロイヤーに相談して法律問題とそうでない問題を区別してもらい、前者について的確な助言を得ることが効果的な利用法である。また、ごく一部の悪質な保護者からの不当な要求については、早急に校長自らが引き取ってスクールロイヤーに相談し、校長とスクールロイーやで対応策を講ずるべきである。
★筆者は高校教員を兼務する弁護士であり、日々、スクールロイヤーとして保護者対応にかかわっている。その中で、法律自体に問題があり解決の見込みがないケースがあることや、スクールロイヤー活用の議論で人材育成の視点が決定的に不足している点などの問題点についても提起したい。
連載
| 巻頭言/”学びの再設計”としての教育DXー人と組織の継続的な変革に向けてー | アクセンチュア株式会社 プリンシパル・ディレクター 斎藤健一 |
|---|---|
| 次期教育課程における学習評価の改善策はこれだ!(9)教科の特性に合った観点の趣旨と観点(名)の設定を | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
| カリキュラム・マネジメント推進における校長のリーダーシップ(9)授業改善・学校改革に向け様々な手だてを駆使する | 甲南女子大学人間科学部教授 村川雅弘 |
| 非認知能力を育てる心理教育ー子どもたちの自立的で協働的な学びを支えるー(4)心理教育の各論(2)ー社会性と感情の学習(SEL)ー | 元創価大学大学院教職研究科准教授 大関 健道 |
| 続・算数科で育てる「思考・判断・表現」する力 数学的な見方・考え方を引き出す教材(3)かけ算・わり算を使って数えるー棒の数と三角形の数ー | 明星小学校副校長・前筑波大学附属小学校副校長 夏坂哲志 |
| これからの学び方改革ー展望的論考(4)健全な意欲・感情・意識を育てる | 大阪教育大学名誉教授 北尾倫彦 |
| 教育の窓(74)渡邉雅子『共感の論理ー日本から始まる教育革命』岩波新書、2025年 | 文部科学省教科書調査官(体育) 渡辺哲司 |
| 標準学力検査を指導改善に生かす(1)小学校算数ー「円柱の体積」ー | 明星小学校副校長・前筑波大学附属小学校副校長 夏坂哲志 |
| つなぐ・つながる支援(10)地域で支える困窮世帯の子どもたちへの学習支援 | 一般社団法人 彩の国子ども・若者支援ネットワーク代表 土屋匠宇三 |
| データで読み解く子どもたちのいま(5)「ぷりんP-LinⓇ」の校内活用の実際 | 聖徳大学心理・福祉学部教授 山口豊一 鎌倉女子大学児童学部准教授 石川満佐育 |
| 通常学級の特別支援教育(3)教師の葛藤ー効率か共生かー | 神奈川県立保健福祉大学教授 深沢 和彦 |
| 協働的な学びへの道のり(1)「協働的な学び」が機能しない現実 | 日本大学教授 熊谷圭二郎 |
| 心を育てるエクササイズ(8)大学でエンカウンター(1)ー授業を中心にー | 明治大学教授 諸富祥彦 |



