- トップ
- 指導と評価

特集
❶多様な子どもたちを包摂する学校教育/多様性を包摂する学校教育の在り方
★現代の学校では、国籍や障害、家庭環境など多様な背景をもつ子どもが学ぶことが当たり前となり、画一的な教育の在り方が問い直されている。国際的なインクルーシブ教育の潮流や社会構造の変化を背景に、障害の社会モデルやUDLの考え方に基づく教育が重要となる。平等な一律対応ではなく、公平性の観点から必要な支援を整え、教師・学校・自治体がそれぞれの役割を果たすことが、多様な子どもが学ぶ学校教育の実現につながる。
❶多様な子どもたちを包摂する学校教育/不登校児童生徒への支援の充実に向けて
★広島県尾道市では、不登校SSR推進校を中心に、不登校児童生徒の居場所づくりや個別のニーズに応じた支援に取り組んできた。今年度からは尾道市が研究開発学校として国の指定を受け、さらなる連携体制を整え、児童生徒の社会的な自立に向けた柔軟な教育課程編成のあり方について研究を深めている。その取組の現状や課題について、同市教育委員会の坂本静香指導主事にお話をうかがった。
❶多様な子どもたちを包摂する学校教育/通常学級から始めるインクルーシブ教育
★真のインクルーシブ教育を実現するには、通常学級の変革が不可欠である。子どもの困難さには発達特性や読み書きの課題など多様な背景があり、従来型の一斉授業から子どもの個別性に応じる授業への転換が求められる。重要なのは、子どもの行動や言動の背景要因を見取る教師の姿勢だ。学級経営では適切な「幅」と「寛容度」を保ち、対話の文化を育む。教師には自分自身の教育観やその背景に対する自覚も求められる。
❶多様な子どもたちを包摂する学校教育/特異な才能のある児童生徒への支援・指導
★新たに「特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ」が設置された。児童生徒の才能の多様な現れや学校教育の現状と課題を整理し、「対象活動(仮称)」を軸とした教育課程の柔軟化の考え方が示されている。通常の教育課程を基盤とした包摂性と体系性を両立する新たな学びの制度が求められる。
❶多様な子どもたちを包摂する学校教育/外国人児童生徒等への教育の充実に向けて
★日本で働く外国人は230万人を超え、公立学校に通う外国人児童生徒は約13万9千人に上り、この10年で1.8倍に増加している。本稿では、外国人児童生徒等への教育の充実に向けて、切れ目のない支援体制の構築、日本語指導のカリキュラムや方法、進路・キャリア支援、多文化共生教育の実践など、学校現場で求められる総合的な取組について、具体例を交えながら多角的に論じた。
❷夜尿症への学校生活の支援/夜尿症の疾患としてのメカニズム
★夜尿症は、睡眠から覚醒する能力、夜間の膀胱の貯蔵能力、夜間の尿の生成の調整能力の三つの要因が様々に重なり合うことが原因とされ、一つあるいは複数の要因が関与しているともいわれています。決定的な原因は解明されていませんが、適切な対応によって負の影響は改善することが知られています。患者や家族が治療を希望する場合には、積極的な治療が推奨されます。
❷夜尿症への学校生活の支援/夜尿症と神経発達症の子どもたちをどう支えるか
★夜尿症は身近な問題であり、神経発達症と高頻度に併存しますが、「家庭の問題」として学校から切り離されがちです。学校は、①相談される関係づくり、②医療への橋渡し、③日常と宿泊行事での具体的配慮を通じて、夜尿症と神経発達症をもつ子どもの成長と学びを支える重要な役割を担います。
❷夜尿症への学校生活の支援/夜尿症と学校生活への影響-国内外の研究から-
★夜尿症は、子どもたちの自尊心の低下や学校生活の質の低下を招くことが知られている。欧米での調査では、夜尿による精神的ダメージは学校でのいじめや両親の離別を上回ることが報告されており、わが国のQOL調査においても心理社会的な障害、特に友人関係への悪影響が示されている。
★学校生活における宿泊行事は夜尿のある子どもの大きな心理的負担となるため、教育現場での適切な観察と支援、医療機関との連携が、子どもたちの健全な成長を支えるために不可欠である。
❷夜尿症への学校生活の支援/安心して参加できる宿泊行事へ-昼間尿失禁・夜尿症の理解に基づく教育的配慮-
★子どもが宿泊行事に安心して参加するためには、夜尿症など見えにくく繊細な困りについて、子どもや保護者が相談しやすいと感じられる日頃からの関係づくりが大切です。そのためには、教員が夜尿症を正しく理解し、子どもの気持ちに寄り添いながら、個々の状況に応じた配慮を行い、誰もが安心して過ごせる環境づくりを進めていくことが求められます。
❷夜尿症への学校生活の支援/子どもと保護者への心理的影響とその対応
★夜尿症は子ども・保護者にとって大きな心理的ストレスになる。教員には、夜尿症を「家庭の問題」と切り離すのではなく、子どもの発達と学校生活に密接にかかわるテーマとして捉え、身体・心理・社会の三側面から包括的に支える姿勢が求められる。
連載
| 巻頭言/「おしっこ」にまつわる三つの話 | 東京学芸大学名誉教授 河野義章 |
|---|---|
| カリキュラム・マネジメント推進における校長のリーダーシップ(10)子どもたちが生きる未来を見据えた授業づくり・学校づくりを | 甲南女子大学人間科学部教授 村川雅弘 |
| 次期教育課程における学習評価の改善策はこれだ!(10)国語の学習指導要領を考える | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
| 非認知能力を育てる心理教育-子どもたちの自立的で協働的な学びを支える-(5)心理教育の各論(3)-マインドフルネス- | 元創価大学大学院教職研究科准教授 大関 健道 |
| 続・算数科で育てる「思考・判断・表現」する力 数学的な見方・考え方を引き出す教材(4)5つから2つを選ぶ組み合わせの数を考える-6年「場合の数」- | 明星小学校副校長・前筑波大学附属小学校副校長 夏坂哲志 |
| つなぐ・つながる支援(11)連携による障害者支援-「地域全体の向上」の視点が連携を生む- | NPO法人 障害者支援情報センター理事長 進藤 義夫 |
| 通常学級の特別支援教育(4)教師の指導意識を変容させるには | 神奈川県立保健福祉大学教授 深沢 和彦 |
| 協働的な学びへの道のり(2)協働的な学びは機能しているか | 日本大学教授 熊谷圭二郎 |
| 心を育てるエクササイズ(9)大学でエンカウンター(2)-2回目以降のエクササイズの紹介- | 明治大学教授 諸富祥彦 |
| 標準学力検査を指導改善に生かす(2)小学校国語-学びの自覚化を意識した授業設計- | 筑波大学附属小学校教諭 白坂洋一 |



