月刊誌 指導と評価

2019年 7月号
  1. 2019年 7月号 Vol.65-7  No.775  定価:450円
特集
指導要録の改訂(2)各教科の観点別評価
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特集

国語(中学校)

山形大学教授  三浦登志一

社会科(中学校)

元大正大学教授  館 潤二

数学(中学校)

東京学芸大学名誉教授  藤井斉亮

理科(小学校)

筑波大学教授  片平克弘

音楽(小学校を例に)

奈良教育大学理事・副学長  宮下俊也

図画工作(小学校)

東京学芸大学教授  西村行

家庭(小・中学校)

広島大学教授  鈴木明子

体育(小学校)

日本体育大学教授  岡出美則

今月号のイチ押し!!●新連載/これだけは押さえたい学習評価(1)「目標=評価基準」ではない−評価基準には「どの程度か」を示す必要がある−

教育評価総合研究所代表理事・『指導と評価』編集委員  鈴木 秀幸

●平成の間にわが国では、目標準拠評価・観点別評価に転換したものの新しい学習評価の考え方が浸透しなかったこともあり、混乱も見られます。今回は教育評価のおおもとである評価基準から始めたいと思います。
●評価基準には「どの程度か」が必要:評価を行うためには、評価の枠組み(判断のよりどころ)である評価基準を作らなければなりません。評価基準には、「何を評価するのか」(評価規準とも呼ばれます)と「どの程度か」という二つが必要です。目標には「どの程度か」がなくてもかまいませんが、指導した結果の学習評価では実際にその目標が「どの程度」実現できたかを問題しなければならないのです。(「どの程度か」を示すと教師の創造性を奪ってしまうという意見がありますが、では示さずに本当に妥当性・信頼性のある評価ができるのでしょうか。この件については次回以降で再度述べます。)
/まず、知識については、1つ1つの学習内容を「目標=評価基準」と考え、基本的に目標を実現できている、できていないという二分法的な評価でかまいません。(正確には「できた」数を合計して、一定の数以上になったら、対象学習範囲を(十分)習得したと判断します。この一定の数をカッティングポイントとよび、評価基準の「どの程度か」に当たります。このような評価をドメイン準拠評価とよび、従来から行われている方法です。)
/しかし、いま重視されている「思考・判断・表現」のような目標は二分法的な評価は適しません。例えば学習指導要領でほぼすべての教科で用いられている「表現できる」(例えば国語で論理的な文章を書ける)という目標は、子どもの書いた文章の多様性を考慮して評価します。つまり、達成程度(どの程度か)を示してから評価する必要があります。「どの程度か」は、評価者が妥当性・信頼性の高い評価を行えるくらいに具体的な内容を示さなければなりません(このような評価をスタンダード準拠評価とよびます。)。この観点では知識とは違い、学習指導要領の目標をそのまま評価基準にすると、「どの程度か」抜きの評価基準を作ることになります。また、一般的抽象的な表現も評価者が評価する際には主観的になることを防げませんから、よりどころになりません。
●教育の重点が知識習得から「思考・判断・表現」の育成へと移行するのに応じて教育評価も変革すべきでした。しかもわが国の学習評価は、平成十年の学習指導要領の改訂に際して、それまでの絶対評価を加味した相対評価から、目標準拠評価に移行しましたからなおさらでした。しかし、「思考・判断・表現」などの目標準拠評価について適切な方法が広く理解されず、「どの程度か」を示さない評価、「どの程度か」が一般的抽象的な表現の評価基準が大手を振っています。
●目標がそのまま評価基準となるという考え方がいまでも見られますが、思考力や判断力等を評価する場合には、「どの程度か」という程度を(、一般的抽象的でなく)示した文章表現(レベル区分)が必要なのです。(抄)

連載

巻頭言/新しい指導要録を見て 文教大学学園長・応用教育研究所長
石田 恒好
「主体的・対話的で深い学び」を創る(1)「主体的・対話的で深い学び」を実現する 中学校社会科公民的分野の学習指導−ESDの視点を取り入れることを通して− 東京都練馬区立大泉西中学校教諭
池下 誠
「教師力」アップセミナー 子どもとともに成長する教師をめざして(4)小学校教育・学級担任制のよさと課題−課題克服の鍵は情報共有と協同実践、受容的な人間関係− 創価大学教職大学院准教授
大関 健道
QUを活用したPDCAサイクルで教育実践の向上をめざして(4)生徒理解を深め、個に応じた支援を徹底した実践に学ぶ具体的な取組 早稲田大学教授
河村 茂雄
続・説明文・意見文を書くことの指導(5)意見文を書く(1)小学校低・中学年 筑波大学附属小学校教諭
白坂洋一
木下是雄と「言語技術の会」ルネッサンス(3)メンバーの多様な顔ぶれ 文部科学省初等中等教育局教科書調査官(体育)
渡辺哲司
わたしたちの学校づくり(23)学力テスト結果の分析から学校の課題を解決する−標準学力検査CRTを活用し、地域全体で学力向上をめざす− 三重県菰野町立千種小学校教諭
川北喜子
教育相談はこう学ぶ!−全国各地の特色ある教育相談研修(4)チーム援助の核を育てる教育相談スキルアップ研修 福島県教育庁義務教育課主幹
横山 修
こうすればうまくいく!スペシフィックSGE(5)ジェネリックとスペシフィックの相違を超えて 富田学園岐阜東高校講師
阿部明美
通常学級の実践から学ぶ特別支援のヒント52(4)「わかりやすさ」に配慮した教師のコミュニケーションの工夫 埼玉県立大学准教授
森 正樹
授業をみる・語る・研究する(3)P型の授業観察と授業のモデル 東京学芸大学名誉教授
河野義章
公認心理師の資格をもつガイダンスカウンセラーの実践(4)公認心理師としてのSCに求められるもの−小中高のSCの経験を通して 奥羽大学専任講師
鈴木敏城
講座キャリア心理学−キャリア発達を支援する−(4)キャリア構築理論 労働政策研究・研修機構主任研究員
下村英雄
本の紹介(3)『レポートの組み立て方』 指導と評価編集部
「指導と評価」編集部
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