機関誌 指導と評価

2026年 春号
  1. 2026年 春号 vol.72-4 No.857  定価:980円
特集
❶学習評価の道しるべ❷教育実践に生かすカウンセリングスキル
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特集

❶学習評価の道しるべ/次期教育課程における学習評価の論点

京都大学大学院教育学研究科准教授  石井英真

「高次の資質・能力」をいかにして育てるか。学習評価の視点では、形成的評価と総括的評価を区別し、豊かな授業で伸ばした子どもの力がしっかり可視化される「学びの舞台」を単元に設定することが重要である。また、情意面の育ちは「評価しても評定せず」のスタンスで、各教科等の思考・判断・表現と一体的に見取っていくのがよい。

❶学習評価の道しるべ/インクルーシブ教育時代における学習集団づくりをふまえた学習評価

大坂教育大学教授  吉田 茂孝

インクルーシブ教育時代において、「できる/できない」の分断を生む評価の課題を検討した。その結果、学習集団づくりの視点から学習評価のあり方を問い直した。さらに、成果主義的な評価観を乗り越え、「過程」と「かかわり合い」を支える評価の方向性を提起した。

❶学習評価の道しるべ/「学習としての評価」をどう構想するか-評価をデザインすることは、学びをデザインすること-

愛知県立芸術大学准教授  石田 智敬

評価とは本来「価値づけ」であり、教育実践を方向づける羅針盤となります。特に質的に多様な学習成果が生みだされる探究的な学びでは、「優れているとはどういうことか」という卓越性の概念を言語表現と作品事例によって具現化し、それを学習共同体の価値規範として共有していくことが大切です。

❶学習評価の道しるべ/デジタル学習基盤で拓かれる学習者主体の学びを支える気づき-教育データの可能性-

内田洋行教育総合研究所主任研究員  堀越 泉

デジタル学習基盤の整備により、多様な教育データが蓄積されるようになりつつあります。これらのデータは、教員や学習者の気づきを広げる手がかりとなりえます。本稿では、教育データがどのように学習者主体の学びに寄与するのかを、理論的整理と実践事例の双方から検討します。

❶学習評価の道しるべ/高校の現場から見た大学入試-多枝選択式と記述式の問題を中心に-

教育評価総合研究所代表理事  鈴木秀幸

高校教育にとって大学入試はハイ・ステイクスなテストであり、学習指導の方向性を規定する。共通一次試験以降、長らく取り入れられている多枝選択式試験に対応してきた中で、生徒の思考力を十分に育てられていない懸念がある。イギリスのGCSE試験などを参考に、わが国も記述式試験システムの構築を急ぐべきである。

❶学習評価の道しるべ/共通テストから見える学習評価の研究動向

独立行政法人大学入試センター研究開発部教授  荘島宏二郎

本稿は、大学入学共通テストを学習評価研究の文脈から位置づけ、形成的評価との関係や教科別の評価観の転換を整理した。あわせて、大規模一斉試験としての限界を踏まえつつ、共通テストを高校教育における評価改善の資源として活用する視点を提言した。

『指導と評価』オンラインコミュニティ開催報告 どうなる?どうする?「学びに向かう力、人間性等」の指導と評価

「指導と評価」編集部  「指導と評価」編集部

【開催概要】
次期学習指導要領における重要テーマの一つである「学びに向かう力、人間性等」の指導と評価について、2026年1月24日、中教審・教育課程企画特別部会委員の石井英真先生をお迎えし、オンラインセミナーを開催しました。前半は石井先生による講演(話題提供)、後半は弊誌編集委員の宮本友弘先生、平山祐一郎先生が指定討論者として加わり、参加者からの質問も交えて充実した議論が展開されました。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/心の基礎(土台)モデルから見る子どもたち-「人間のよさ体験」が不十分な子どもへのかかわりを中心に-

早稲田大学教授  桂川 泰典

教師の言葉が子どもの心に届きにくいと感じられる場面を手がかりに、心の基礎(土台)モデルを用いて子どもの発達を捉え直す。人間のよさ体験や心のエネルギーという視点から、子どもが大人の言葉を安心して受け取り、前に進む力につなげるためのかかわり方を考え、存在を認め続けるかかわりの意味を検討する。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/教師のためのアドラー心理学

文教大学教授  会沢信彦

子どもや教育に関心を抱き、ウィーンに多くの教育相談施設をつくったアドラーは、「教育相談の祖」ともいうべき存在である。学校教育に生かせる理論として、「子どもの不適切な行動の4つの目標」「勇気づけ」「共同体感覚」がある。教育相談の基礎となる学校心理学とも親和性が高く、学校教育での活用が期待される。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/日常の指導に生かす応用行動分析-子どもの「できているところ」に目をむける視点-

京都教育大学准教授  佐藤 美幸

応用行動分析は、子どもの行動を性格ではなく環境や周囲の人とのかかわりから捉え、できている行動を認めて伸ばす考え方です。本稿では、応用行動分析を理論的基盤とするTCITを取り上げ、教師の児童生徒に対するあたたかなかかわりを増やし、学級や学校全体の安定につなげる実践を紹介します。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/教育実践に生かすブリーフセラピー-解決志向・未来志向の考え方-

元山形大学大学院教授/元小学校教員  佐藤節子

解決志向ブリーフセラピーは、みんなが笑顔になれる希望のカウンセリングです。リソースとすでにうまくいっていることに着目し、原因や犯人を探すのではなく解決像をつくっていきます。ホワイトボード教育相談を展開するうえでの柱であり、注目のオープンダイアローグともつながっています。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/構成的グループエンカウンター-本音と本音のふれあい体験が行動変容を促す-

広島県教育委員会スクールカウンセラー  朝倉 一隆

生徒指導上の諸問題の背景には、人間関係の希薄さが大きく影響していると考えられます。構成的グループエンカウンターは、本音と本音のふれあい体験を通して、新たな自分・見知らぬ人と出会い、子どもたちの行動変容を促すグループアプローチです。ここでは効果を高める実践方法と留意点について説明します。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/教育実践に生かすキャリア・カウンセリング

武蔵野大学教授  永作 稔

児童生徒へのキャリア・カウンセリングは、キャリア発達を促すことが目的です。それでは、キャリア発達を促すとはどのようなことを指すのでしょうか。本稿では、子どもたちのキャリア発達の機会を教育実践のなかにちりばめて、体験させ、子どもたちにそれらを意識づけるためのヒントを紹介します。

❷教育実践に生かすカウンセリングスキル/不確実な状況にとどまる力-不登校支援におけるネガティブ・ケイパビリティの意義-

埼玉学園大学准教授  伊里 綾子

不登校支援において、その明確な原因がわからないケースは少なくない。このような状況に対し、本稿は「ネガティブ・ケイパビリティ(不確実な状況を受け入れ、急がずにとどまる力)」の重要性を説く。また、どのようにして、子どもや教師のネガティブ・ケイパビリティを育むことができるかについて考察する。

連載

巻頭言/季刊化に寄せて-理論と実践が出会う場に- 応用教育研究所理事長・筑波大学名誉教授
櫻井茂男
授業に生かす愉しい教育心理学(1)「処理水準仮説」を学習指導に生かす 学習院大学文学部心理学科教授
篠ヶ谷圭太
次期学習指導要領が見えてくる!研究開発学校の実践(1)授業時数の弾力化による「余白」の創出と活用-目黒区教育委員会- 鳴門教育大学名誉教授
村川 雅弘
評価から考える次期学習指導要領(1)「思考・判断・表現」の目標、評価基準はもっと具体的に! 教育評価総合研究所代表理事
鈴木秀幸
先生のための生成AI実践セミナー 全教科授業のプロンプト開発に挑む 桐蔭学園小学校教諭
都筑 圭佑
ひととしごと(1)一本の竹から広がる世界 尺八奏者 都山流大師範
田辺 洌山
心理に強い先生を育てる(1)子どものウェルビーイングを支える「心理に強い先生」の育成と活用 東京成徳大学特任教授・日本学校心理学会理事長
石隈 利紀
教師の活力源 Teacher´s Well-being(1)「休み上手」になろう 三楽病院精神神経科部長
真金薫子
交流分析入門 I am OK, You are OKの世界(1)心を育むストローク 会津大学文化研究センター教授兼学生部長
苅間澤勇人
My Favorite Exercise-SGEリーダー体験記(1)構成の大切さを学んだ「なんでもバスケット」 栃木県スクールカウンセラー
木村 佳穂
つなぐ・つながる支援(1)福祉と協働できる学校づくり-経済低成長時代の学校教育と福祉- NPO法人子ども支援プラットフォーム代表
和井田節子
相談室日記 SCが見た学校・子どもの春夏秋冬(1)じゃがいも好きなカウンセラー山崎健之介です 埼玉県スクールカウンセラー/さいたま市スクールカウンセラー
山崎健之介
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