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月刊誌 指導と評価

2012年 12月号
  1. 2012年 12月号  Vol.58-12 No.696  定価:450円
特集
  • 望まれる教師
  • 【在庫なし】
  • 特集

    望まれる校長先生
    神田外語大学教授  嶋崎政男

    ★校長に求められる資質・能力は、教育課程経営力、人事管理力、人材育成力、事務処理力等、多岐に及びます。このようなマネジメント力は、校長としての「技」に当たります。
    ★一方、子どもを愛する気持ち、教職員への温かな心遣い等は、校長のもつ「心」と言えます。
    ★「技」と「心」は両方とも大切ですが、その重要性の指摘は、ときによって評価が異なり、まるで「振り子」のように揺れています。「望まれる校長先生」は、こうした動きに動じることなく、「心」と「技」をバランスよく保つことができる人ということができます。

    望まれるサブリーダー・ミドルリーダー
    神戸女子短期大学学長  長瀬 荘一

    ★リーダーには、部分にとらわれず全体をみる総合判断力、事柄が推移する流れの中で本質を見失わない状況判断力、一般の原理原則に縛られず個別の特殊性や蓋然性に配慮できる個別判断力が求められる。
    ★サブリーダー・ミドルリーダーには、個人プレーよりチーム・ワーキング、原案を持った上で管理職と相談する態度、自分の言葉による説明・提案・説得、正しく考えようとする姿勢、若い教師への真摯な指導、が期待される。見ていてハラハラするサブリーダー・ミドルリーダーは、仕事をする途中で周囲に余計な気遣いをさせ、余分な負担をかける人。
    ★サブリーダー・ミドルリーダーの力量は、壁にぶつかる経験をして高まる。

    子どもに望まれる教師−小学校
    青山学院大学教授  坪田 耕三

    ★「子好き・世話好き・勉強好き」な教師は子どもに好かれるよい教師である。このことが自然になされることが肝要である。また、別の視点から見れば、「子どもの心に火を付ける」教師がよい授業者でもある。子どもが自ら動き出すことを期待してのことである。
    ★「子ども」「教師」「教材」の関係が、それぞれ密になることが肝要である。そのことを基盤に考えて、子どもと教師、子どもと教材、教師と教材の関係をもとに、よき教師像を「チェックリスト」にしてみた。
    ★学習の理想的姿は、独学である。それができるようにしてやることが大事で、子どもの探求心を伸ばすことを考えたい。

    子どもに望まれる教師 −中学校−
    神奈川県逗子市教育研究所所長  鹿嶋 真弓

    ★学ぶことの楽しさを教えてくれる教師:中学時代に体験した学ぶことの楽しさは、彼らの中で独自の進化をとげていく。
    ★生徒の立場になって考えてくれる教師:生徒と向き合う際の前提として「信じる」か「疑う」かによってその先のストーリーラインは大きく変わる。
    ★適切な自己肯定感を育てられる教師:適切な自己肯定感を育てるには、まず教師が多様な価値軸をもつことである。
    ★生き方のモデルになる教師:中学校生活3年間で、生徒が「自分もあんな風になりたい。」と思えるような教師の存在は大きい。

    保護者に望まれる教師
    東京都教職員研修センター教授  谷合 明雄

    ★教育では、教師と保護者、地域の人々、関係機関等の協働による一体的な取組が重要である。親の相談や苦情は、まず共感的に受け入れ、訴えの内容を整理しつつ、親の気持ちに寄り添いながら対応することが大切である。
    ★目立たない良識的な保護者を能動的に活動する主体へと組織化すること、軌範意識の指導などその根っこにある課題に肉薄し抜本的な解決に結びつく指導・援助に努めることなどが、保護者の信頼につながるのである。
    ★保護者の信頼は各教師の連携した取組から生まれる。そのためには、「組織の内部に開かれた教育」の実践が不可欠である。

    教師の同僚性
    福井大学准教授  遠藤貴広

    ★教師の同僚性ということが言われて久しい。ただし、同じ同僚性といっても、日本の学校の場合、同質性を原理とした共同の同僚性が中心となる傾向があった。そこで今後意識的に追求していく必要があるのは、異質性を原理とした協働の同僚性である。この実現に向けては、教師が協働するための時間枠を日常の時間割の中に位置付けることと、専門・興味・関心の異なる者どうしが互いの取組を尊重し合う文化を学校の中に醸成させることが求められる。

    レジリエンスのある教師
    早稲田大学准教授  小塩真司

    ★教師のメンタルヘルスの悪化については,文部科学省の調査報告はじめ多くの場所で言及されている。近年,深刻な脅威にさらされているにもかかわらずそこから回復するレジリエンスという概念が注目されているが,教師にとってレジリエンスをもたらす要因は何であろうか。ここでは,国内外で行われた教師レジリエンスの研究を取り上げ,何が教師にとって問題を悪化させるリスク因子となり,何が回復を促しレジリエンスの状態へと導く保護因子となるのかを概観する。いずれの因子についても,個人内要因と環境要因双方が重要である。

    連載

    思考力・判断力・表現力を育てる指導と評価(5)思考力・判断力・表現力を育てる授業づくり 国立教育政策研究所総括研究官
    山森 光陽
    学級ソーシャルスキルを子どもに育てる(9)若い教師に伝えたい学級づくり 岩手県山田町立織笠小学校副校長
    藤村 一夫
    これからの評価を考える(8)パフォーマンス評価の意義と課題 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    平成24年全国学力調査結果の考察(4)小・中学校国語−学力調査に対する学習者の「つまずき」をこれからの指導に活かすために 千葉大学准教授
    森田真吾
    平成24年全国学力調査結果の考察(5)中学校国語−質問紙調査から見える課題 宇都宮大学准教授
    飯田 和明
    これからの小学校国語の授業づくり(21)「書くこと」4年生 筑波大学附属小学校教諭
    桂  聖
    坪田耕三先生の発展・応用を学ぶ小学校算数の授業づくり「深め」「拡げ」て豊かな学び(1)−低学年でも発展・応用(4)1年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    小学校理科の授業づくり(8)5年A「振り子の運動」 文部科学省教科調査官
    村山哲哉
    アドラー心理学で教師力を高めよう(8)授業で生かす 東京都江戸川区立平井南小学校生活指導主任
    長妻真智子
    教育統計・測定入門(9)平均差と比率の区間推定 法政大学教授
    服部 環
    学校の法律相談(20)警察への通報をためらわない 国立教育政策研究所名誉所員
    菱村 幸彦
    だんわしつ/「伸縮する自尊感情」を超えて 中部大学教授
    速水敏彦
    ひとりごと/秋の陽だまり 元公立中学校教諭
    吉冨 久人