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特集
言語活動の充実を目指す
★言語活動の充実は、子どもたちに生きる力を育むために必要な、授業改善の重要な手立て。
★真に言語活動の充実の意義を理解するためには、現代の社会情勢や、子どもたちが担っていく将来の社会の状況を見据えて、今付けるべき力を見極めることが重要。
★言語活動を機能させるには、付けたい力を見極め、その力を育成するのに最適の言語活動を選定することが必要。
★言語活動の充実は単に言語スキルを教え込むことではなく、子どもたちの課題解決の過程の中で、主体的に思考・判断し、言語表現することを重視。
世田谷区における教科『日本語』の取組
★世田谷区は、内閣府より「世田谷『日本語』教育特区」に認定され、「深く考え、自分の考えなどを表現でき、日本文化を理解し大切にする児童・生徒の育成」をねらいとして、平成19年度から教科「日本語」の授業を実施している。教科書は区独自に作成した。
★小学校では、教科書の約半分が和歌や俳句、漢詩、論語等を朗誦する「日本語の響きやリズムを楽しもう(美しさを味わおう)」という内容である。中学校では、「哲学」「表現」「日本文化」という授業を行っている。ここでは、主に小学校の授業と、中学校の「表現」の授業を紹介する。
書く教育再考-アメリカとフランスの作文教育における思考力・判断力・表現力
★言語活動の重点である「思考力・判断力・表現力」とは何を指すのか。米・仏の作文教育からその具体的な内容と教育法、評価法を探る。
★「書く教育」はそれぞれの社会で求められる思考とその表現法に密接に結びついており、日本の型の開発と書くジャンルの特定が急務である。
インタビューの編集-「出版人に聞く」シリーズを例に
★編集者として「出版人に聞く」シリーズを取り上げ、現在の編集のあり方にふれる。それらはインタビューだけで終わるのではなく、編集、調査、事実確認の仕事も重要である。
★これらの仕事は七〇年代までの文化と詩の時代の体験に基づき、そこで詩の言語を学んだことが大きな支えになっている。
★しかし現在はサブカルチャー全盛であり、そのことにより学生、教師、教科書、さらには言葉と文章をめぐる距離感が生じているはずだ。
★そして次には電子書籍問題が待ちかまえている。
中学校社会科―レポートの書き方
★中学校社会科でのプロジェクト型・調査型・ディスカッション型の授業のレポートは、内容の高度さは学年に応じても、その研究方法論やレポート執筆の構成面においては、本格的な学術研究と同じものにすることが肝心である。最も重要な点は、生徒自身が探求するテーマと問題を提起することである。授業では、①テーマと問題の発見、②仮説定立と検証、③主張の批判的検討、④発表と質疑応答、相互評価を行い、レポート執筆では、序論-本論-結論といった構成をもった論理的で実証的なレポートを書かせるべきである。
算数・数学科における言語活動
★算数・数学科における言語活動を、小学校から大学に至るまでの大きな流れの中で考えてみたい。述べたいことを一言でまとめると、言語活動は論理に基づくとなる。言葉・図・グラフなどを用いる言語活動もそこに存在する論理を押さえる必要がある。論理といっても難しいものではなく、一つ一つのステップにおける理由付けである。言語活動は個人が学習内容の理解を深める上で大切であるのみならず、他者への説明、他者の主張の理解といったコミュニケーション上も重要である。納得できる説明に不可欠な論理性について考えてみたい。
小学校理科
★「科学的な思考力」とは、わたしたちに広く認知、共有されている科学知識や科学理論と目 の前の事物・現象とを、「言葉」をつかって結びつける過程でしか培われない。
★理科授業に「言語活動」を導入するポイントは、以下の2つが基本である。①「問題」と「答え」の関係を明確にする。②共有した結果をどう解釈するかに時間をかける。
★言語化による子どもの納得こそ、「理科の目標」にある「実感」の一つである。
「総合的な学習の時間」を活用した言語活動の充実
★「サークルタイム」という手法で、日常のできごとを中心に自分の考えや感じたことを話し合うことによって、生徒の言語能力を高めることができる。
★職場体験活動などを実施して、事前の準備や振り返り活動によって、場に応じた適切な言葉づかいをすることや自分の考えを相手にうまく伝えることができるようになる。
★読書活動をベースとして、短編小説を書いたり、読後のレポートを書いたりすることによって、生徒の創造性を高め、作文能力を引き上げることができる。
連載
特別支援教育に取り組む(6)「幼稚園と幼小連携」 | 子ども支援研究所専任相談員 大越和美 |
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学級ソーシャルスキルを子どもに育てる(7)都会の子どもたちのむずかしさと対応のポイント | 埼玉県飯能市立飯能第一小学校教諭 尾上晴香 |
思考力・判断力・表現力を育てる指導と評価(4)判定基準の信頼性および項目応答評価と課題解決評価の利点と難点 | 国立教育政策研究所総括研究官 山森 光陽 |
これからの評価を考える(6)形成的評価①P・ブラック論文の衝撃 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
これからの小学校国語の授業づくり(19)「書くこと」6年生 | 筑波大学附属小学校教諭 白石 範孝 |
坪田耕三先生の発展・応用を学ぶ小学校算数の授業づくり「深め」「拡げ」て豊かな学び(1)-低学年でも発展・応用(2)1年 | 青山学院大学教授 坪田 耕三 |
小学校理科の授業づくり(6)6年A「電気の利用」 | 文部科学省教科調査官 村山哲哉 |
小学校英語活動のポイント(42)PDCAサイクルによる「外国語活動」の運営の在り方と方法-その22-Hi,friends!2の第4課Turn right. | 国立教育政策研究所名誉所員 渡邉 寛治 |
アドラー心理学で教師力を高めよう(6)8時1分の君-復讐する子ども | 勇気づけスペースLUN主宰 三輪克子 |
教育統計・測定入門(7)因果関係の強さを記述する-単回帰分析 | 法政大学教授 服部 環 |
平成24年全国学力調査結果の考察(1)小学校算数 | 青山学院大学教授 坪田 耕三 |
学校の法律相談(18)いじめと自殺の因果関係をどう考えるか | 国立教育政策研究所名誉所員 菱村 幸彦 |
だんわしつ/大地-作物は声なき声で語る声 | 農夫 阿部恵美子 |
ひとりごと/つかず離れず | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |