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特集
参考資料の生かし方-小学校国語
★国語科における授業づくりで大切になるのは、「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」「C読むこと」の各領域における(1)指導事項と(2)言語活動例を組み合わせて、言語活動を通して知識や技能の習得と活用の力の育成を図ることである。例えば、同じ指導事項でも言語活動が変われば、指導事項の現れが異なってくる。このことを細やかにとらえることが、身に付けさせたい力を具体化することになり、また評価規準を具体的に作成することにつながる。そのために必要なのが、言語活動の教材研究であり、教師自らが言語活動を行い、言語活動を細やかにとらえて、効果的な学習指導が実現する。これからの学習指導案には、単元設定の理由で言語活動を考察することが重要である。
参考資料の生かし方-中学校国語
★平成14年版、平成23年版の参考資料は、章立て、事例の数こそ異なるが、ともに「評価規準の作成」や「評価方法の工夫改善」のためのものである。
★平成23年版では、評価規準の具体例を「評価規準の設定例」とし、学習指導要領の内容(2)に位置付けられた「言語活動例」に示された自校を組み合わせ、その規準を示している。
★評価規準を示されただけでは評価することは難しい。どの程度実践できたらABCと評価するか、学校独自の判定の基準づくりには工夫を要する。
★地域による評価規準の統一と各学校間の弾力的な運用については、改善を重ねながら望ましいものをめざす。
★自校の評価規準と標準化された学力検査結果とを比較し、その妥当性を見る。
参考資料の生かし方-小学校社会
★社会科で評価すべきことの最大公約数は、社会の見方・考え方が育ったかである。
★学習問題に対して、何がどのように書けているか、学習者の認識の発達を踏まえ、表現された内容を分析するための評価規準が必要である。
★授業者が見取る評価規準のポイントの第一は、X社会事象について、知識を量的に拡大している状況と、Y学習者が解釈し、意味づけている状況とを区別することである。
★評価規準のポイントの第二は、Yの中の概念化・一般化のレベルを区別することである。
★教師集団のモデレーションによって、作品の典型例を抽出し、評価の内容規準(基準)を設定することが早急の課題である。
参考資料の生かし方-中学校社会
★参考資料の四観点の趣旨から、授業展開を考えると、前半で有効な資料を活用しつつ資料活用力を付けながら知識を獲得し、後半で核となる問いに対し、まず自分がどう考えたかを書かせ、それをクラスで出し合って多様な価値観を学び、さらにそれを踏まえ自分の考えたことを書き発表するという流れが基本になる。
★後半の活動こそ、中学校社会科の着地点である。観点では「思考・判断・表現」にあたる。
参考資料の生かし方-中学校英語
★各学校で参考資料を生かし、重点を置く目標や内容を反映する評価、効果的・効率的な評価、妥当性・信頼性のある評価、教師の負担を減らす簡素な評価を、これまでよりも創意工夫し、独自に実施することが求められている。
★中学校英語の新しい評価規準の枠組みには、「理解の能力(聞く・読む)」「表現の能力(話す・書く)」「言語についての知識・理解」「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」「英語学習への関心・意欲・態度」の五観点七区分が、一つの可能性である。
参考資料の生かし方-小学校生活
★育てたい力、見方・考え方や、そのためにどんな活動を組んでどう指導するかなどの授業の構想に生きる「評価規準作成のための参考資料」。
★小単元の構成、活動の選択などの具体的な単元展開の工夫に生きる「評価方法等の工夫改善のための参考資料」。
★評価の原則は、①子どもの指導に生きること。②付けるのが簡単であること。③評価のための評価をしないこと。
参考資料の生かし方-小学校家庭科
★家庭科では二学年間を見通した指導と評価の計画を立てる必要がある。そして評価規準は、その時間のねらいや学習活動に照らして、毎時いずれかの観点に重点をおいて設定する。
★評価を行う際、「指導に生かす評価」と「評価結果として記録する評価」という2つの側面を明確にして評価していく。このことが、評価の妥当性、信頼性を高めていることにつながる。
参考資料の生かし方-体育
★学習指導要領解説体育編、保健体育編(平成20年)をみると、例示されている技能、態度、思考・判断の内容はかなり具体的、明確に示されている。
★学習指導要領解説体育編、保健体育編(平成20年)では、動きの様相や態度の様態などを表す記述がなされている。このような記述を評価規準や判定基準づくりで生かすべきである。
★国立教育政策研究所によって示された評価事例にある「学習活動に即した評価規準」づくりにおいてこそ、動きの様相や態度の様態を的確にとらえ、客観性・妥当性に富む項目を設定する必要がある。
参考資料と目標準拠評価の今後の課題
★参考資料の問題点は、評価規準が学習内容の記述部分を除けば簡単すぎて意味が分かりにくいこと、B規準だけでA規準が不明であることなどである。
★到達度評価の考え方を「知識・理解」の観点だけでなく「思考・判断」の観点にも用いていること、目標を評価規準にしたところに問題の根本がある。
★A規準を作成することが、評価のためばかりでなく、指導のためにも必要であり、日本全体で取り組むべき課題である。
だんわしつ/生徒指導に対する考え方の転換
連載
自己の生き方を育てる学校教育(9)「成長を促す教育相談-決して『切らない見捨てない』姿勢で」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 明治大学教授 諸富 祥彦 |
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教室でできる特別支援教育(6)確認しよう!特別支援教育に携わる教師の構え | 名城大学教授 曽山和彦 |
坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり 「わかる」と「できる」基礎・基本の考え方(63)-小学校6年、比例 | 青山学院大学教授 坪田 耕三 |
これからの小学校国語の授業づくり(6)「読むこと」6年生-説明文 | 筑波大学附属小学校教諭 青山由紀 |
教師のための発達心理学(6)中学生、高校生の社会性の発達 | 筑波大学准教授 佐藤 有耕 |
中学校外国語科の評価(6)「読むこと」の言語活動とその評価その1 | さいたま市立南浦和中学校教頭 柳澤登紀男 |
小学校英語活動のポイント(29)PDCAサイクルによる「外国語活動」の運営の在り方と方法-その9(指導案作成の基本5) | 国立教育政策研究所名誉所員 渡邉 寛治 |
学校の法律相談(6)給食費の未払いにどう対処するか | 国立教育政策研究所名誉所員 菱村幸彦 |
ひとりごと/ボランティア | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |