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特集
巻頭言/常識を問い直す勇気があるか
特集❶コロナ禍で問い直される学校の常識/教育の実態把握にもとづく政策立案が(いまだに)行われない理由
★日本の教育政策は、思考様式の面での「上意下達」の習性から免れられない点に特徴がある。教育基本法の改正によって学校教育法に「学力の三要素」が加わり、それが学習指導要領やその解説書に反映される。さらにはさまざまな政策(例えば入試改革)を主導する。実態把握にもとづいた帰納的な思考は阻まれる。なぜこのようになったのか。その謎解きをしながら、本稿では、コロナ禍に直面する中で、忖度しない主体性の重要性を指摘する。
特集❶コロナ禍で問い直される学校の常識/自律的な学習者の育成をめざして-ICTを活用した授業改革
★コロナ禍による休校で「学校に行かないと自分で学習できない」という本校の現実が明らかになった。自律的な学習者の育成のため、単に履修を急ぐのではなく、「逆向き設計」による授業や効果的なICTの活用を図り、児童にとって学ぶに値する「真正な学び」を追究してきた。アフターコロナでも「VUCAとなる世界をwell-beingに生き抜く児童の育成」をめざした「真正な学び」を継続する。
特集❶コロナ禍で問い直される学校の常識/学校の「ビルド文化」に歯止めをかける-学校行事を見直す視点
★コロナ禍により、どこの学校でも学校行事の見直しを余儀なくされています。しかし、学校行事を見直すだけでは、学校教育活動全体にゆがみが生じる恐れがあります。コロナ禍は、肥大化した学校をあるべき姿へと回帰させる機会を与えてくれているのかもしれません。コロナが収束すれば安易に元に戻すのではなく、現在の取り組みを学校改革の流れに位置づけ、学校のビルド文化に歯止めをかける必要性を提起します。
特集❶コロナ禍で問い直される学校の常識/新たな学校文化としての部活動-働き方改革とコロナ禍がもたらしたもの
★学校現場ではコロナ禍前から「働き方改革」への取り組みが始まりつつあった。また、「部活動ガイドライン」にもとづいて、持続可能な部活動のあり方を模索している時期でもあった。その最中のコロナ禍の出現で学校現場は大いに混乱してきたが、働き方改革や部活動改革の趣旨に立ち戻り、アフターコロナの新たな学校文化を創造していく必要がある。
特集❷生徒指導・教育相談にICTを生かす/生徒指導・教育相談に生かすICT
★新型コロナウイルスの流行は学校での日々の活動に大きな影響を与えている。その1つがGIGAスクール構想の進展によるICTの利活用である。学習指導だけでなく生徒指導・教育相談においてもICTを利活用することで、より質の高い取り組みを行うことが可能となる。具体的には「情報の共有」「個別対応」「密なかかわり」などである。ただICT特有の留意事項もあり、そういった点での配慮も必要である。
特集❷生徒指導・教育相談にICTを生かす/タブレット端末を活用したSGEの実践
★GIGAスクール構想によって1人1台端末の配備が進んだ。学校現場は、感染症対策に追われながらタブレットの活用に試行錯誤している。子どもたちは、コロナ禍で友人とふれあう機会が減り、孤独感を深めている。こんな不安な時代だからこそ、構成的グループエンカウンター(SGE)の出番である。心のふれあいを体験しながら、楽しくタブレット操作の基本を身につけ、人間関係を育てるタブレットSGEを紹介する。
特集❷生徒指導・教育相談にICTを生かす/生徒指導・教育相談におけるICTの活用
★これからの生徒指導では、ICTの活用が大きなポイントになる。環境構築にはクラウド化された校務支援システムが必要だが、導入されていない場合でも汎用ソフトのアンケート機能を使うことで必要なデータの収集は可能だ。またチャットによる教育相談も進んでいくだろう。情報化社会を生きるには情報モラルと、変化に柔軟に対応できるスキルが求められ、「デジタルシチズンシップ」の育成が重要視される。
特集❷生徒指導・教育相談にICTを生かす/タブレット端末を活用した学級指導の支援-感情ケアソリューションFEELBOTの活用
★GIGA端末の整備は、子どもたちの個々の感情を細かくデータ分析できる入り口でもある。本校では4年前から子どもたちの感情ケアソリューションアプリを利用し、日々の子どもたちの心的安定の環境を整えてきた。これまでは共用タブレットでの入力という、手間のかかる作業であったが、GIGA端末の整備により、その手間が大幅に解消した。そこで、これまでの実践から、FEELBOTの有効性や、教職員の子どもたちへのかかわり、GIGA端末との連携などについて整理する。
特集❷生徒指導・教育相談にICTを生かす/ICTを活用して子どもたちの表現や交流を引き出す-教科学習での取り組みを中心に
★プログラミング教育も必修化となり、各教科の中でICTを使う機会も増えてきた。アナログな活動が大切である図画工作でも、ICTを有効的に取り入れることで子どもたちの表現の幅は広がる。
★ICTを図画工作という教科の中に取り入れることで、子どもがどう変容するのか。その様子を紹介する。
今月のイチオシ!!実効ある目標準拠評価(5)ペーパーテストの改善-中学校理科
連載
特別寄稿/「主体的に学習に取り組む態度」の評価-他の2観点と連動させる | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
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「教師力」アップセミナー 子どもとともに成長する教師をめざして(6)生き方を問い続ける教育!-道徳編 | 神奈川県川崎市立宮崎中学校教諭 町田 憲二 |
人間関係づくりのための基本姿勢-「ほめる」ことで成長につなげる① | 福岡教育大学・九州栄養福祉大学非常勤講師(元福岡市立長尾中学校校長) 岸川 央 |
事実を伝え、意見を述べる 自ら進んで取り組む「書くこと」の指導(8)読ませ合い書かせ合えば、生徒は育ち合う(下) | 静岡県立浜松北高等学校教諭 駒形一路 |
読解力の育成(8)読書行為の二重性をいかした自立した読者の育成 | 広島大学教授 山元隆春 |
いまどきの特別支援教育(8)保護者の視点から支援を考える | 保護者 綿貫邦子 |
教育の窓(51)AIに支援されたこれからの学びとは(後編)教育AIによって実現される学びのカタチ | 東京学芸大学教授 森本康彦 |
ガイダンスカウンセラーの挑戦(8)小中学校のガイダンスカウンセリング-1つの市でのガイダンスカウンセラーの取組 | 山梨県甲府市スクールカウンセラー 長尾雅裕 |
学びを広げる・学びを深める(7)国語科における教科横断型授業の試み | 市立札幌平岸高等学校教諭 對馬光輝 |
教育統計・測定入門(98)媒介分析の手続き | 法政大学教授 服部 環 |