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特集
❶主体的・対話的で深い学びがめざすもの⑴/主体的・対話的で深い学びを問い直す
★深い学びとは既有知識と関連付く学びであり、子どもと関連付く、状況と関連付く、相互に関連付くの3つが考えられる。これらは教育方法的には、有意味学習、オーセンティックな学習、明示的な指導と対応している。深い学びを求めていけば、必然的に学びは主体的になり、対話的にもなる。主体的・対話的で深い学びは、深い学びを中心に一体的・構造的なものとしてとらえることが肝要である。
➊主体的・対話的で深い学びがめざすもの⑴/「主体的・対話的で深い学び」と形成的評価、総括的評価
★「主体的・対話的な学習」は「深い学び」を実現する手段と考える。
★「深い学び」は構成主義の学習観に基づく。
★形成的評価と総括的評価では「深い学び」を評価する場合、必要な条件が異なる。
➊主体的・対話的で深い学びがめざすもの⑴/主体的・対話的で深い学びの授業づくり-中学校社会科
★「生涯にわたる学習の基盤」の1つが「学びに向かう力」である。「よりよい社会」をつくり、「よりよい人生」を送るために、ときには他者と助け合い、高め合える関係を築いて、試行錯誤しながら知識及び技能を自ら習得して、社会の変化に対応できる力を身に付ける必要がある。
★社会科は、「よりよい社会」を実現するために解決すべき課題を主体的に追究する学習を行うことに存在意義があり、深い学びを展開しやすい教科である。
➊主体的・対話的で深い学びがめざすもの⑴/算数の本質をたのしむ子どもを育てる-5年生「三角形の面積」の授業-
★算数において主体的・対話的で深い学びがめざすものは、子どもの知的好奇心を大切にし、算数の本質の世界に触れさせることで、もっと学びたい、もっと算数をしたいという子どもを育てることと考える。それは、算数の本質を楽しむ子どもの育成である。見かけの楽しさではなく、友だちとともに数学的に考え、問題をよりよく解決するという算数の本質にかかわる楽しさである。
➊主体的・対話的で深い学びがめざすもの⑴/主体的・対話的で深い学びの授業づくり-中学校理科
★深い学びとは、学習活動を通して、自身の考えや理解が変容し、考えを広げたり深めたりできる学びである。理科の「見方・考え方」を働かせ、探究の過程を通して学ぶことになっているかは、授業づくりのポイントである。バラバラの情報が1つずつ結びつくことによって、ワンランク違う学びの世界へと生徒自らが進んでいけるような場面を組み込んでいきたい。
➋学びを支える/認知カウンセリングを活かした学び支援
★学び支援においては、つまずきの解消ばかりでなく、子どもがもつ学習観や学習方法の改善も求められている。このような学習面の問題に対する支援の方法として、認知カウンセリングがある。
★本稿では、学び支援における認知カウンセリングの方法として、外的リソースの利用、教訓帰納を取り上げ検討した。
➋学びを支える/個別学習支援教室「のびやか教室」の活動
★個別学習支援教室「のびやか教室」は、学習の定着がむずかしい子どもに、学習補習ができる地域の教室として開設し、8年を迎えます。
★「わかる」「できる」喜びを味わいながら学習の定着を図ることができる教室、学校生活に疲れている子どもの居場所としての役割を担う教室として運営しています。
★相談を通して子育てに不安を抱えている保護者のサポートの役割も担っています。
➋学びを支える/子どもの学びを支える学習支援員の仕事
★学校では様々な工夫をして、子どもの学びを支えています。障害のある児童生徒に対しては、学校における日常生活動作の介助を行ったり、学習活動上のサポートを行ったりする特別支援教育支援員の活用が進んでいます。
★本稿では、小学校の「学習支援員」という立場で働く自らの経験を紹介します。
★子どもの学びを支援するためには、すべての教室に学習支援員の配置が望まれます。
➋学びを支える/多層指導モデルMIMを活用した学びの支援
★多層指導モデルMIMは、異なる学力層の子どもがともに学ぶ場である通常の学級において、学びを届ける側が個々の子どもが有するニーズに対して可能な限り対応していこうとするものである。また、子どもが学習につまずいたり、つまずきが深刻化したりする前に、効果的な指導・支援を提供していく、いわば予防的なモデルといえる。
★個々の子どもを確実に把握するためのアセスメントと指導とを連動させ、誰ひとりとりこぼさない支援をめざす。
➋学びを支える/子どもの発達と障害特性をふまえた学習支援
★子どもが学びにつまずく要因には、子どもの学び方、教師の教え方、学校や家庭といった教育環境のあり方など、さまざまなものがある。
★発達に遅れや偏りがある子どもの場合は、障害特性の特定、学びに関する実態把握(アセスメント)、学習環境の整備と個に応じた支援を実践することが重要となる。
連載
巻頭言/「主体的・対話的で深い学び」の解釈と具体的指導への道筋 | 埼玉大学・神奈川大学・早稲田大学大学院非常勤講師、元筑波大学附属中学校主幹教諭 肥沼 則明 |
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教育の窓(65)学習意欲や学びのエンゲージメントを学習に活かす | 応用教育研究所理事長・筑波大学名誉教授 櫻井 茂男 |
教育の窓(66)第3観点「主体的に学習に取り組む態度」の評価をどうするか | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
目標準拠評価を教育に生かす(18)国語の評価⑥-「書くこと」の発達段階ごとの特徴 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
算数科で育てる「思考・判断・表現」する力⑺計算について考える③ | 明星小学校副校長・前筑波大学附属小学校副校長 夏坂 哲志 |
読解力の育成(小学校実践編)⑺思考の系統を意識した文学の授業づくり-小学校高学年 | 筑波大学附属小学校教諭 青山由紀 |
漢字を教える・学ぶ⑶読み書きが困難な子ども-読み書き障害(発達性ディスレクシア)- | 元十文字学園女子大学教授 阿子島茂美 法政大学名誉教授 吉村浩一 |
「叱る」を考える⑻叱ることの効果と問題点-応用行動分析学の観点から- | 大阪教育大学准教授 庭山和貴 |
子どもを真ん中に置いた支援⑵教育と精神科医療の連携~児童精神科医の立場から伝えたいこと~ | 東大阪市立障害児者支援センター児童精神科医・和歌山大学客員教授 山本 朗 |
「あきらめる」を肯定的にとらえる⑻「あきらめる」ことと動機づけの内在化② | 十文字学園女子大学准教授 永作 稔 |