月刊誌 指導と評価

2002年 1月号
  1. 2002年 1月号 Vol.48-1 No.564  定価:450円
特集
教育課程の弾力的編成とその評価
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特集

どんな教育課程の弾力的編成が求められているか

国立教育政策研究所初等教育研究部長  工藤 文三

★教育課程の弾力的編成についての取り組みの第一は、総合的な学習の時間の実施と運営を円滑に行える体制を作ることである。そのためには、総合的な学習の時間の全体的な性格及び教育課程において担うべき役割を明確にする必要がある。今後は特に各教科等との相互関連を図った取り組みが求められる。

★中学校の選択教科については、補充的な学習、発展的な学習をどの教科、学年で展開するのか、基礎・基本の確実な拾得の要請との関連も考慮して検討する。

★内容が複数学年にわたって示された教科の指導計画については、児童生徒の発達段階、学習状況、他の教科との関連等に配慮することが大切である。

★一段位時間の工夫については、先進事例等を参考に、その効果について十分調査をした上で慎重に取り組むことが望まれる。

教育課程の評価の考え方

筑波大学名誉教授  山口 満

★教育課程の評価の重要性が今改めて見直されている。それは、創意工夫による特色ある教育課程を編成できるようになったことに対応して、各学校における事故点検、自己評価が厳しく求められるからである。

★近年、たしかな進歩を見せているカリキュラム評価に関する学問的研究もまた、学校での実践的取り組みを支えている。

★教育課程経営の視点に立った全体的で総合的な見方による教育課程評価を進めることが大切である。

★学校の説明責任や外部評価に耐えることができる教育評価のあり方を考え、実践しよう。

教育課程編成の考え方と実務   小学校

新潟県教育庁義務教育課課長・前上越市立大手町小学校長  小林 毅夫

★特色ある教育課程を編成し、特色ある学校づくりを進めるために、教育目標や総合的な学習の時間など、自校の主体性を発揮して取り組む内容についてグランドデザインを描いて、保護者や地域に対する説明責任を果たしていく必要がある。

★学校の教育目標の実現を目指して、おおらかなバランス感覚を大切にしながら、各教科・道徳・特別活動・総合的な学習についての指導内容を選択し、必要な授業時数を定め、指導計画を作成する。

★時間割の弾力的編成や一単位時間の弾力的取扱が可能になったことから、ブロック制やモジュール制を導入して、自校の実態に即した時間割を工夫する。

教育課程編成の考え方と実務   中学校

福岡県宮田町地域交流センター所長・前福岡県宮田町立宮谷市中学校長  藤渕 明宏

★新教育課程では、家庭・地域との連携を強化すること、学び方を身につけるため、問題解決的・体験的な学習を取り入れ、学校外で豊かな体験ができるようにして、それを授業に生かすことが大きな課題である。

★そのために、

1.指導体制ではティームティーチングや学校外の人材活用

2.余裕教室を特色ある教科教室にしたり、図書館を充実させること

3.学習時間の柔軟的な運用

4.小中連家 などが求められよう。

時間割の工夫

神奈川県横須賀市教育委員会指導主事  三浦 昭夫

★新教育課程では、小・中学校とも年間授業数が35週で割り切れない教科があり、これまでどの教室にも掲示されていた「時間割」に大きな変化が求められる。

★小学校では、子どもたちの活動内容や教科の特性に応じて、15分を1ユニットとする時間の使い方を考えた。学年毎の課題や総合的な学習の時間における課題に応じて、自由な時間取りのできることが特徴である。

★教科担任制を採用している中学校では、小学校ほど自由な時間取りができない分、基礎・基本の定着を図ることを目的に、十分な時間をかけることや、教科のねらいに応じて授業時間に弾力を持たせるなどの工夫を試みた。

特色ある教育と教育課程、時間割の工夫の実際例   小学校

東京都台東区立根岸小学校長  小島 宏

★特色ある教育として、基礎・基本の定着をめざす。そのために、オープンスペースを活用した体験的学習・TT方式、習熟度に応じた学習、評価の工夫を進めている。また、情報活用能力を育てる一環としてコンピュータの活用を位置づけた授業づくりを進めている。さらに、地域の教育資源を活用した授業を実践している。

★教育課程の編成では、教育目標の改訂、全体計画や年間指導計画の作成、各教科や総合的な学習の時間の「評価基準」の作成、通知表の改善をした。

★90分を1ブロックとする3ブロック制と、15分を1モジュールとする方法を併用する時間割の工夫をした。

特色ある教育と教育課程、時間割の工夫の実際例   中学校

岐阜県岐阜市立東長良中学校教諭  谷口 邦彦

★学校の教育目標具現のための基本方針は、

1.基礎・基本の定着

2.自己教育力の育成

3.家庭と地域社会との連携 である。

★生徒による活動の推進・・・自分たちのことは自分で考え、決めて創り出し、評価して改善していく「学校生活改革会」「学習活動改革会」

★基礎的・基本的な内容を定着させる学習活動の工夫改善

 ○単元で「つける力」を明確にし、個に応じた学習の場を位置づけた学習課程の工夫

 ○必修教科の学び方を定着させる選択教科「自学」と、生徒個々の学習課題に応じて時間割を作成して取り組む「志学Days」

★総合的な学習の試行・・・提案・提言する姿を求めた個人テーマ追究型の「自己創生」と共同・貢献する姿を求めた学級テーマ追究型の「郷土長良」

★テープスライド方式の時間割編成と単位時間の弾力的な運用

連載

新しい観点別評価のポイント(6)(7)   小学校音楽科 文部科学省教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官
金本 正武
新しい観点別評価のポイント(6)(7)   中学校音楽科 文部科学省教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官
峯岸 創
新しい観点別評価のポイント(6)(7)   小学校体育科 文部科学省スポーツ
渡邉 彰
青少年局教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官
戸田 芳雄
新しい観点別評価のポイント(6)(7)   中学校保健体育科 順天堂大学准教授
今関 豊一
青少年局教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官
戸田 芳雄
パフォーマンス評価の実践的研究(9)   「音楽科」 大分県佐伯市立昭和中学校教諭
本田 洋二
総合的な学習の実践と評価(6)   子どもの追求意欲を高める評価 新潟大学教育人間学部附属小学校教諭
長谷川 豊
だんわしつ 教育臨床研究機構理事長
中野 良顯
ひとりごと 元公立中学校教諭
吉冨 久人
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