月刊誌 指導と評価

2004年 臨時増刊
  1. 2004年 臨時増刊 Vol.50 No.594  定価:300円
特集
学力調査と標準学力検査
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特集

正しい学力調査のあり方

(財)応用教育研究所所長  辰野 千壽

◎今日、学力向上が学校教育の大きな課題となり、各地で学力調査に対する関心が急激に高まっている。かつての学力テスト反対運動、学テ闘争を思うと隔世の感がある。この学力調査が、効果を上げ、定着するためには、改めて学力調査とは何か、何を目指し、どのように行い、結果をどのように活用するかを考えることが必要である。

◎要は、学力調査は、本来、児童生徒の教育課程や学習指導など、教育諸条件の改善を目指しており、単に学校や教師の教育的責任を問うだけのものではない。

◎また、学力調査の中で、標準学力検査が果たす役割を考えることも必要である。

学力調査と標準学力検査

文教大学学園長・応用教育研究所所長  石田 恒好

◎学力調査のための「良い検査」とは、実施目的に合った測定ができる検査である。実施目的に合った測定ができる検査かどうかを示すのは「妥当性」である。妥当性が検証してある検査を選んで、実施することが重要である。

◎標準化学力検査と非標準化学力検査を特性、活用法などで比較すると、標準化学力検査は非標準化学力検査にとって代われるが、非標準化学力検査は標準学力検査にとって代われない。

◎以上から、学力調査のためのもっとも「良い検査」は、CRTであることがわかる。文部科学省や各自治体独自で行っている学力調査は、妥当性を明示すべきである。明示がないと、安心して使用できる検査かどうか明らかでない。

CRTと学力調査

大阪教育大学名誉教授  北尾 倫彦

5つのクエスチョンに答える。

Q1.今、各自治体で学力調査が行われていますが、この状況は望ましいことなのでしょうか。良い効果が出てくるのか、それとも弊害が出るのでしょうか。気を付けるべき点を教えてください。

Q2.評価の方法が大きく変わり、教師たちは、改めて学校の評価とはどうあるべきかと悩んでいます。子どもたちへの影響も考えなければなりませんが、保護者や地域社会の側の反応も気になります。今、評価のあり方を考える基本的な視座を教えてください。

Q3.今回の評価法の改革によって、学校現場は混乱し、評価規(基)準表づくりをはじめとして、評価に関する作業に追われています。これでは、永く続けられないのではないでしょうか。今、教師としてこの問題にどう対応すればよいか、具体的に教えてください。

Q4.目標準拠評価、いわゆる絶対評価では、教師によって甘い基準の人とからい基準の人に分かれ、信頼されないのではないでしょうか。評価の客観性を高めるためにどのような取り組みを行えばよいか、教えてください。

Q5.学力調査において標準学力検査を使った方がよいという意見があります。また、その中でも目標準拠テストとして作られたCRTを使うべきであるという考えも耳にしました。なぜ、このテストがよいのか、どのようなメリットがあるのか教えてください。

標準学力検査による学力調査のポイント

(一財)応用教育研究所副所長  宮島 邦夫

◎学力低下の懸念とアカウンタビリティの考え方を背景に、多くの学力調査が行われている。学力調査は、教育計画の改善、教育行政的な施策に利用される。その意義を説いて、弊害を避けることが大切である。

◎教研式標準学力検査NRTとCRTを使い分けるには、検査の目的、それから派生する相違点、実施時期などが重要になる。これらを検討して、学力調査のねらいに合うものを選ぶようにすることが必要である。

◎NRTやCRTから得られる資料には、学力調査として集団の傾向を把握するのに便利な資料もある。NRTやCRTは、短期的な教育計画には向かないが、年度ごとの教育計画を検討するには有効な手段である。

連載

学校としての結果責任とNRT等の活用 栃木県小山市教育委員会指導主事
橋本 美智明
評価の機能を生かしたCRT活用の工夫 福岡県春日市立白水小学校教諭
野田 敏孝
NRTと知能検査の活用の工夫 愛知県東海市立上野中学校教諭
沢里 義博
NRT・CRT及び知能検査の活用 大分市立大東中学校教諭
伊勢 博子
全国の自治体で実施する学力調査   岩手県一関市/栃木県足利市/長野県長野市/静岡県/佐賀県多久市  
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