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月刊誌 指導と評価

2008年 7月号
  1. 2008年 7月号  Vol.54-07 No.643  定価:450円
特集
  • 教師の悩む問題と対応策
  • 【在庫なし】
  • 特集

    教師の悩む問題
    神戸女子短期大学副学長  長瀬 荘一

    ★教師の仕事は看護師や医師と同じようにヒューマンサービスに関わる職種であるうえ、子どもや保護者との関係、新しい教育課題、校務分掌、同僚や上司との人間関係など、多方面への対応から精神的圧力を受けやすく、悩みが深刻になりやすい。
    ★職場内の人間関係を豊かにすることや、教師の一人一人が困難への対応力や精神的な強さを養っていくことが必要である。

    学習指導に悩む先生へ  形成的評価から考える
    静岡県立袋井高等学校教諭  鈴木 秀幸

    ★学習指導力を向上させるためには、従来言われてきた教材研究等の工夫だけでなく、形成的評価から考えることも有効である。
    ★生徒が失敗を恐れずに答えを述べることのできる環境づくりが前提で、質問の仕方や、生徒へのフィードバックの工夫をする。

    学級経営に悩む先生への対応策
    早稲田大学非常勤講師・スクールカウンセラー  明里 康弘

    ★学級経営の悩みは、他の先生に話しにくい。まわりの教師が、聴いたり援助する雰囲気がないと、悩んでいる先生は孤立しやすい。
    ★担任が悩んでいることと、学級の問題点は違う場合がある。どこが問題かをいろいろな方法で把握し、ゴールを設定する。「すぐ直す」と「時間をかけて成長させる」の両面から対応する。

    子ども理解、生徒指導、子どもとの人間関係などに悩む先生への対応策
    東京都立川市立立川第一中学校長  嶋 政男

    ★子どもの生徒指導上の課題は多岐に及びます。ただし、その基盤にある「指導の心」は変わりません。「気持ち(心理的事実)は受容しても、非なる言動は許容しない」。このような、「温かくも時に厳しい」指導姿勢で臨むことです。
    ★子どもの指導で悩んだときは、指導の「心」の原点に立ち返り、具体的な指導法については一人で悩まず、周囲の人に助言を求めることが大切です。

    保護者との関係や、子どもの生活習慣に悩む先生への対応策
    岩手県山田町立織笠小学校副校長  藤村 一夫

    ★モンスターペアレントという言葉は、あっという間に教師間に広がった。保護者との関係に悩む背陰性が予想以上に多いからかもしれない。しかし、保護者との連携なくして、学校教育は成り立たないのだから、保護者対応を積極的に活用していく姿勢が求められる。そのためには、教師・子ども・保護者とのコミュニケーションを図ること、そしてお互いの理解を深めることが重要である。

    生徒指導に悩む先生への対応策  組織的に対応する生徒指導体制づくり
    国立教育政策研究所生徒指導研究センター総括研究官  藤平 敦

    ★年度当初に生徒指導の方針と指導基準を全教職員で合意形成するとともに、指導マニュアル等を作成し、活用することは、効率的な指導につながる。
    ★生徒指導上の課題に対して、教職員が一人で抱え込むことなく、学校組織で対応するためには、教職員間で気軽に相談できる雰囲気や仕組みを作ることが必要である。
    ★教職員一人一人が学校の重点目標に対する自分の行動を定期的に自己点検・自己評価をすることは、学校組織としての生徒指導力の向上につながる。

    職場の人間関係に悩む先生への対応
    神奈川県逗子市教育委員会教育部長  石黒 康夫

    ★先生の人間関係の悩みは、子どもの教育に大きく影響する。まずは良好な人間関係を築くことである。良好な人間関係の中で教職員が意欲的に働ける学校は、その存在自体が教育的であり、より良い教育活動を推進していくことができる。
    ★悩みをもつ先生への対応は、「本人に解決できない悩み」なのか「本人が解決できる悩み」なのかという2つの視点でとらえて、対応策を考える。

    教師の年代別の悩みと対応策
    わらしなカウンセリングセンター所長、静岡福祉大学講師  藁科 正弘

    ★最近、教師をとりまく環境は厳しく、ストレスをためやすい状況にある。教師は元々まじめなひとが多い。もっと気楽に上司や同僚、さらにはカウンセラーや専門医など専門家に相談や助けを求めることが大切である。そして、発想の転換を図ることにより、いままで重荷になっていたことも、気軽に受けとめることができるようになる。
    ★趣味やスポーツなどを身につけ、気分転換を図ることを心がけることも大切である。

    不登校を未然に防ぐための心の居場所づくりの研究
    広島県安芸高田市立向原小学校教諭  松本 浩司

    ★不登校を未然に防止するための、心の居場所づくりに取り組むためには、hyper−QUを活用した的確なアセスメントが有効である。その結果をもとに、要支援郡に属する児童の変容に焦点を当て、ルールの確立を目的としたソーシャルスキルトレーニングや、リレーションの形成を目的とした構成的グループエンカウンターを段階的に取り入れた一時的アプローチ(予防的・促進的な心理教育的援助)を行う。朝の会・帰りの会を効果的に活用するとよい。

    連載

    坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり  「わかる」と「できる」−基礎・基本の考え方(25 )−小数 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    教育評価の現状と課題(4)  教育評価の手順 文教大学学園長・応用教育研究所長
    石田 恒好
    言葉によるコミュニケーション能力を育てる(4)  小学校高学年児童におけることばによるコミュニケーション能力を育てる 聖徳大学短期大学部准教授
    吉田 佐治子
    教師力を磨く(4)  意欲的に取り組めるわかりやすい授業を組み立てる力 筑波大学附属中学校教諭
    金子 丈夫
    どうする?小学校英語(32)  「外国語活動」の目標における「コミュニケーション能力の素地」とは何か 国立教育政策研究所名誉所員
    渡邉 寛治
    ネット時代の読書論(4)  「読書離れ」について考える(その3)−調査データにみる読書離れ 東京家政大学教授
    平山 祐一郎
    だんわしつ  自然に優しい教育とは? 佐賀短期大学準教授
    上赤 博文
    ひとりごと 元公立中学校教諭
    吉冨 久人