月刊誌 指導と評価

2014年 5月号
  1. 2014年 5月号 Vol.60-5 No.713  定価:450円
特集
ICT教育における指導と評価
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特集

自立・協働・創造のためのICT活用

信州大学教授  東原 義訓

★教育におけるICT活用は、教師の教育についての発想を変えることなく実施可能なものと、発想の転換を迫るものがある。
★一律の正解が必ずしも見いだせないこれからの社会を生き抜くためには、自立・協働・創造に向けた一人一人の主体的な学びが求められる。
★そのためには、学ぶ内容の変革よりも、学び方の変革が必要であり、ICTの活用はそれを可能とする。
★「自立」のための個別学習、「協働」と「創造」のための協働学習において、ICTを活用した的確な指導と評価を実施できる力が教師に求められる。

ICT活用の根本を再検討する

東北大学大学院教授  堀田龍也

★「学校現場は硬直化している。だから最先端のICTを導入し,学校を改革するのだ」---ICT活用を推進するイベント等でよく聞くスローガンである。
残念ながら筆者は,これに賛同することができない。たしかに学校現場はさまざまな課題に直面している。しかし現場教員はこれに立ち向かって努力している。その努力を見ずして,ICTの導入で学校が「改革」されると信じているのは,いささか楽観的すぎるし,乱暴な議論である。
★本稿では,学校現場の現実を踏まえた上で,ICT活用をどのように考え推進すればよいかについて検討していく。

教育の情報化先進国でのICT教育の現状

富山大学教授  山西潤一

★学校における教育の情報化の実態等に関する調査や、学力・学習状況調査によれば、ICT環境の整備や教員のICT活用指導力の向上が見られるものの、授業へのICT活用が必ずしも進んでいない現状が見て取れる。教育の情報化に関する先進国としての、英国、韓国、シンガポールでは、それぞれ社会的背景が異なるものの、次世代を担う児童生徒の教育に積極的にICTを活用した教育が行われてきている。これら先進国でのICT教育の実状を概観し、今後の我が国のICT教育の課題を探る。

小学校でのICT活用の実践から見えてきたもの

東京都日野市立平山小学校長  五十嵐俊子

★先行実践校の悩みながら挑戦している実践を参考にして、未来を切り拓く子どもたちの学びの場をしっかりと保障できるように、教育にかかわるすべての人が一緒になって先に進める議論をしていく必要がある。
★ICTは、多様な学びの場、主体的な学びの場を提供し、達成感と次なる意欲を高めることに大きく寄与する。教員には、今までの学びの指導法に加えて、データを読み取って指導に生かす力も新たに必要となる。
★多くの実践を通して、教員の役割についても変化が生じてきたことを感じている。子どもたちの学びをコーディネートし、支えるという重要な役割である。教えるべき内容の学ばせ方とその先にある未来を生き抜く力を育てることが重要。

中学校通常学級におけるICT活用

愛知県小牧市立小牧中学校長  玉置 崇

★タブレットPCを教室に配置する自治体がニュースに流れるようになってきた。今後、ますますICT環境は充実していくだろう。しかし、一部においてはICTを使うことを目的とした授業と思われるものがあり、残念である。
★単純な掲示板機能であっても、生徒の考える力が育っていれば、コミュニケーションツールとして有効に働く。自ら情報を入力し、コンピュータから返ってくる情報をもとに思考を重ねる授業展開は、コンピュータを活用してこそ実現できる授業である。教材研究力などの教師力がますます必要となってくる時代だ。

通常学級におけるICT活用−思考力・判断力・表現力を高めるICTの活用

やまぐち総合教育支援センター教育支援部研究指導主事  片山和典

★本稿で紹介する事例は、やまぐち総合教育支援センターの調査研究事業に協力員として参加した教員の実践事例である。
★ICTの有用性のうち、即時性・共有性・保存性について、それぞれの特性に合った活用方法や授業実践で活用したICT機器等について紹介する。
★授業実践では、生徒が学習で蓄積した情報の中から適切なものを選び、それを根拠として自らの考えを説明することができた。
★問題解決的な学習を前提とした協働的な学びの場面でICTを活用することにより、その学びを充実・活性化させ、思考力・判断力・表現力を高めることができた。

特別支援学級におけるICT機器の効果的活用〜児童のプラス特性を活かした目標達成型の活動を通して〜

福岡県筑前町立三並小学校教諭  梶原聖司

★小学校知的障害特別支援学級において、効果的にICT機器を活用していくにあたっては、児童の「プラス特性」を十分にふまえて、活動の場、活動の手順、活動の道具について、提示や操作の方法を工夫することや、単元を通して個々の児童が強い達成意欲を持続させながら活動を進めることのできる目標達成型の活動づくりが必要である。本実践は、「同時処理様式」「継次処理様式」といった認知処理特性の違いを児童のプラス特性ととらえ、学習活動にどのようにICT機器を活用することが効果的なのかを明らかにしようとした取組である。

連載

21世紀をよりよく生きる資質・能力の育成(2)21世紀をよりよく生きるに必要な資質・能力の育成をめざす諸外国の動向 国立教育政策研究所総括研究官
松尾智明
教師力アップセミナー(1)若手教員の資質向上をいかに図るか 千葉市立こてはし台中学校長
堀米 宏
学級づくり実践セミナー(2)学級開きの工夫−基本となる実践を参考にする 盛岡大学准教授
武蔵由佳
教育・心理検査を上手に活用しよう(2)標準学力検査NRTの理解と活用 (財)応用教育研究所部長
堀口 哲男
感度を高める言葉の教育(2)学術専門語の特徴 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
石黒 圭
応用行動分析学入門(2)行動をどう観察し記録するか 教育臨床研究機構理事長
中野 良顯
新しい教育評価の動向/Freebody,P , Luke,A 「批判的リテラシーとその役割」 教育評価総合研究所代表・『指導と評価』編集委員
鈴木 秀幸
小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(21)4年 青山学院大学教授
坪田 耕三
どうする?小学校図画工作の授業(7)鑑賞の指導 東京学芸大学准教授
西村 徳行
学校の法律問題(14)遠足−“非日常”に潜む事故の危険 日本女子大学教授
坂田 仰
教育測定・統計入門(26)重回帰分析における変数選択と多重共線性 法政大学教授
服部 環
だんわしつ/発達障害のある子どもの才能を活かす 関西大学教授
松村 暢隆
教育の窓/終戦前後に実施された「特別科学教育」での学習指導と評価 教育評価評論家
赤木愛和
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