月刊誌 指導と評価

2022年 12月号
  1. 2022年 12月号 vol.68-12 No.817  定価:450円
特集
➊令和4年度全国学力調査の分析➋わが校の授業研究(小学校編)
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特集

特集➊令和4年度全国学力調査の分析/小学校国語

山口大学大学院教育学研究科教授  岸本憲一良

★活動の目的、相手、立場、状況等を踏まえつつ、課題を「我がこと」としてとらえ、それらを念頭に置きながら考える力を身につけることが求められる。
★人物像や人物相互の関係、物語の全体像を具体的に想像しながら、作者の施した工夫やその効果等について読み深めていく力を身につけることが求められる。

特集➊令和4年度全国学力調査の分析/中学校国語

山形大学教授  三浦登志一

★中学校の調査問題は、授業場面を想定した「対話型」の問題を取り上げたり、学習した知識が実践的に使えるかどうかを問えるようにしたりするなどの工夫が見られた。調査結果からは、授業で学習した知識が、十分に定着していないことが明らかになっている。ICTを積極的に活用して実践力を高めるとともに、情報の発信者としての在り方などの根本的な問題について考えさせていくことが大切である。

特集➊令和4年度全国学力調査の分析/小学校算数

東京都荒川区立第一日暮里小学校校長  白井一之

★プログラムの文脈を取り入れた問題など、新しい学習指導要領の趣旨や内容を反映する出題の工夫が見られた。正答率が低かった問題に着目すると、児童の日常経験と算数の学習が乖離している実態がうかがえる。この両者をつなげる授業づくりの工夫が引き続きの課題である。

特集➊令和4年度全国学力調査の分析/中学校数学

元玉川大学教授  瀬沼 花子

★新学習指導要領に基づく新規の内容「素因数分解」「箱ひげ図」に関する問題が出題された。今回14題の平均正答率は52.0%であり、前回16題の平均正答率57.5%より低くなった。記述式の問題の無解答率が上がった。指導にあたっては生徒の誤答の傾向を授業に生かすこと、問題づくりを取り入れること、証明の意義を確認させること、などが重要である。ジェンダーへの配慮は改善された点もあるが、男女別のデータ公開が望まれる。

特集➊令和4年度全国学力調査の分析/小学校理科

筑波大学附属小学校校長  佐々木昭弘

★小学校理科で出題された問題で注目すべき点は、これまでの課題であった「他者の視点で分析する」ことに加え、「問題を見いだす」という問題解決の能力の一つを評価しようとしていることである。そこで本稿では、他者の視点で分析し問題を見いだし表現する問題を中心に取り上げ、『調査報告書』において指摘されている課題を解決するための具体的な理科授業改善の視点を提案する。

特集➊令和4年度全国学力調査の分析/中学校理科

広島大学准教授  松浦拓也

★中学校理科の問題は、すべての大問が科学的探求の場面を題材とした内容になっていたこともあり、全体的に問題文の情報量が多く、意図が読み取りにくい問題も散見された。全21問のうち、約半数の問題において正答率が五割未満であったことから、本稿では主として正答率が低かった問題に着目しながら、生徒の課題や指導改善について考えることにする。

特集❶令和4年度全国学力調査の分析/令和4年度全国学力調査の概要

広島大学准教授  松浦拓也

特集➋わが校の授業研究(小学校編)/国際社会に生きる「豊かな学力」の育成

東京学芸大学教授・附属大泉小学校校長  杉森伸吉

★本校は、2022年8月、国際バカロレアの初等教育版(PYP)の認定校となった。PYPでは、すべての学びが探求に基づく。一条校として学習指導要領との整合性をはかるため、2021年度までの5年間、文科省の研究開発学校の指定を受けて「探究科」を開発してきた。OECDの予測する、今後のより変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高いVUCA世界での国際人として生きる力の育成を追究している。

特集➋わが校の授業研究(小学校編)/「探究」を中核に据えた授業研究の歩み

上越市立大手町小学校研究主任  風間寛之

★当校では、これからの時代に求められる「自立」と「共生」を支える資質・能力の育成をめざし、平成30年度より、文部科学省の研究開発指定学校として、「探究」を中心に据えた教育課程を編成している。領域固有の学びのプロセスと、領域共通の思考様式(コアスキル)や心のはたらき(コアマインド)を視点に、子どもの姿をていねいに見取る授業研究に取り組んできた。

特集➋わが校の授業研究(小学校編)/Sportsを科学する-STEM教育を中核に据えた授業研究

さいたま市立植竹小学校教諭・筑波大学大学院博士後期課程  一色 翼

★筆者の勤務校では、さいたまSTEAMS教育のSports分野における学習指導方法の在り方を検討し、今後の未来社会に対して最適解を見いだすことのできる児童の育成を目指している。とくに、体育の単元の中に「STEAMS TIME」を組み込むことで、探究的な学習の充実を図っている。本稿では、高学年の体育授業実践における「STEAMS TIME」の内容について紹介する。

連載

巻頭言/校内研究を問い直す 東京学芸大学名誉教授
河野義章
事実を伝え、意見を述べる 自ら進んで取り組む「書くこと」の指導(21)実践の伝播 文部科学省教科書調査官(体育)
渡辺哲司
読解力育成(20)説明的な文章の「批評読みとその交流」の指導法 白百合女子大学教授
河野順子
目標準拠評価を教育に生かす⑻「思考・判断・表現」の評価基準の改善-小学校理科を例に- 教育評価総合研究所代表理事
鈴木秀幸
教育の窓(57)竹内明日香『すべての子どもに「話す力」を-一人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方』英治出版、2022年 文部科学省教科書調査官(体育)
渡辺哲司
自己理解と積極性を促すキャリア教育⑸進学・就職の前に-これまでの人生を前向きに振り返る- 秋田県立大学准教授
渡部昌平
真正の構成的グループエンカウンターによる学級づくり⑼不登校と学級づくり 高槻市立第四中学校教諭
田村秋恵
大阪成蹊大学教授
米田 薫
教科書をひらいて授業を創る(8)辞書で図鑑で絵本、それが図画工作の教科書です 埼玉大学
内田裕子
新教育統計・測定入門(5)連関とクロス集計表 法政大学教授
服部 環
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