月刊誌 指導と評価

2023年 2月号
  1. 2023年 2月号 vol69-2 No819  定価:450円
特集
➊個別最適な学びと学習評価➋インクルーシブ教育における構成的グループエンカウンター
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特集

➊個別最適な学びと学習評価/個に応じた指導・学習プログラムを創る

上智大学名誉教授・日本個性化教育学会会長  加藤 幸次

★「個別最適な学び」とは、「指導の個別化」と「学習の個性化」からなる「個に応じた指導」を、学習者視点から整理した概念とされている。
★教師が学習内容と学習方法をコントロールする一斉授業を、「子どもの学習」という観点から見直し、個人差に応じた指導を実現する必要があります。本稿では、「指導の個別化」と「学習の個性化」を手がかりに、これまでに実践されてきたさまざまな指導・学習プログラムを整理する。

➊個別最適な学びと学習評価/個に応じた指導・学習プログラムのための評価活動を創る-「学習の個性化」における評価のあり方を中心に-

上智大学名誉教授・日本個性化教育学会会長  加藤 幸次

★本稿では、個に応じた指導における評価のあり方をする。「指導の個別化」にあっては、3つの観点による観点別評価が重視される。一方、「学習の個性化」では、学習者の”個性の伸長”という観点からの評価活動がより重視される。「自己学習力の育成」「得意な分野・追究方法の習得」および「興味・関心の拡大」をめざす評価の考え方と具体を紹介する。

❶個別最適な学びと学習評価/「個別最適な学び」と学習の自己調整

「指導と評価」編集部  「指導と評価」編集部

★個別最適な学びを重要視することは、「学習の自己調整」を重要視することだ。「自己調整学習」の理解・実践も進めたい。

➋インクルーシブ教育における構成的グループエンカウンター/真正の構成的グループエンカウンターがインクルーシブの実現を可能にする

大阪府交野市立星田小学校教諭  和久田耕平

★インクルーシブ教育とは、障害の有無を問わずあらゆる可能性のある児童生徒が同じ場所で学ぶことである。
★多様な教育ニーズをもつ児童生徒がいる集団でエンカウンターを行うにあたっては、自分の気持ちを語り合うシェアリングが最も重要であり、むずかしい。実践者自身が真正のSGEを体験し、経験豊富なリーダーの姿から学ぶことが欠かせない。

➋インクルーシブ教育における構成的グループエンカウンター/違いを認め合い、支え合う学級づくり

神奈川県箱根町教育相談センター所長  石井ちかり

★インクルーシブ教育を通常の学級で推進するためには、それぞれの違いを全員が認め合い、だれもが楽しく過ごせる雰囲気の学級集団づくりが必須である。構成的グループエンカウンター(以下、SGE)は、そのための有効な手法の1つである。
★SGEは集団の状態に合わせて、方法やルールなどを設定できる。したがって、発達障害等の児童生徒が含まれているようなさまざまな集団でも、柔軟に実施することが可能である。

➋インクルーシブ教育における構成的グループエンカウンター/特別な支援を要する子どもたちに配慮したエクササイズの展開と留意点-小学校低学年の学級で行うインクルーシブなSGEを中心に-

公立小学校教諭  大迫真美

★文部科学省は、特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告の「共生社会の形成に向けて」の中で「障害者理解を推進することにより、周囲の人々が、障害のある人や子どもと共に学び合い生きる中で、公平性を確保しつつ社会の構成員としての基礎を作っていくことが重要である」と示している。そのためには、周囲の理解とともに、障害のある子どもたち自身も周りを受け入れることが必要であると考える。

➋インクルーシブ教育における構成的グループエンカウンター/目の前のひとりひとりを大切に

東京都公立中学校教諭  加藤 みゆき

★通常学級の担任、それが私のアイデンティティです。学級経営だけでなく、教科経営においても構成的グループエンカウンター(以下、SGE)をさまざまな場面で活用してきました。40人の子どもたちがふれあいを通して自己を語り、他者に寄り添いながらつながっていく姿を目の当たりにするとき、あたたかい気持ちに包まれる幸せを感じます。

➋インクルーシブ教育における構成的グループエンカウンター/特別支援学校で行う構成的グループエンカウンターの実践

北海道札幌あいの里高等支援学校教諭  嶋田かおり

★構成的グループエンカウンター(以下、SGE)の目的である「ふれあい」に迫るには言語活動が欠かせない。さまざまな困難をかかえた生徒が在籍する養護学校においても、生徒の実態に応じた支援を工夫することにより、卒業時に「別れの花束」を行えるまでに成長した。3年間の実践を通じて気をつけてきたことと生徒たちの歩みを紹介する。

巻頭言/教師のデータリテラシーの向上に向けて

東北大学教授  宮本友弘


連載

ここまでは押さえたいⅡ目標準拠評価を教育に生かす(10)評価基準は学校ごとに作成すべきか 教育評価総合研究所代表理事
鈴木秀幸
カリキュラム・マネジメント⑼中学校社会科③評価のあり方-「思考・判断・表現」「学びに向かう力」を中心に- 神奈川県川崎市立宮崎中学校教諭
町田 憲二
事実を伝え、意見を述べる 自ら進んで取り組む「書くこと」の指導(23)書くことに抵抗感を持つ“スマホネイティブ”の生徒たち、そして彼・彼女らを教える教師たちへ 福岡県立西田川高等学校長
宮原 清
文部科学省教科書調査官(体育)
渡辺哲司
読解力の育成(22)理科で育成する読解リテラシー 宮崎大学教授
中山 迅
真正の構成的グループエンカウンターによる学級づくり(11)教育相談機関から提案する学級づくり 公認心理師・臨床発達心理士
柳井智美
大阪成蹊大学教授
米田 薫
教科書をひらいて授業を創る(10)中学校数学の教科書に託された願い 茨城大学教授
小口祐一
新教育統計・測定入門⑹因果関係の強さを記述する 法政大学教授
服部 環
教育の窓(59)深い理解を導く予習のすすめ⑤-学習をつなぐ- 日本大学教授
篠ヶ谷圭太
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