月刊誌 指導と評価

2023年 5月号
  1. 2023年 5月号 vol.69-5 No.822  定価:450円
特集
❶家庭学習の工夫改善❷外国につながる子どもの支援
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特集

❶家庭学習の工夫改善/家庭学習の効果-学習メカニズムを踏まえた3つのアプローチから-

東京学芸大学特任講師  太田 絵梨子

★家庭学習にもさまざまなバリエーションがある。本稿では心理学的な視点から、①学習内容への接触機会を増やすことをねらう行動主義アプローチ、②学習内容の意味理解を促す情報処理アプローチ、③社会的相互作用を通じた知識構成をめざす状況認知アプローチ、の3つの枠組みに基づいて、家庭学習の効果を高める方策を検討している。なお、本稿の内容は太田(2019)を縮約し二次出版したものである。

❶家庭学習の工夫改善/家庭学習導入と支援のポイント-英語学習を中心に-

福山市立福山中高教諭・研究企画主任  上山晋平

★中学校と高等学校で、家庭学習指導に関心をもって取り組み、その成果の一端を『英語家庭学習指導ガイドブック』(明治図書)にまとめています。
★本稿では、家庭学習の工夫改善のための考え方や指導法、他教科にも役立つエッセンスを紹介します。

❶家庭学習の工夫改善/自主学習の意義と指導のポイント-実践者のための読書案内

「指導と評価」編集部  「指導と評価」編集部

★子どもが学習内容を選ぶ家庭学習は、主体的になれる、学習評価をふり返ることで学び方を学ぶことができる、学ぶことが楽しくなる、などの特長がある。最初は負荷をかけすぎないように留意し(一般的な家庭学習の延長から始めるなど)、しだいに(もの集め・ものづくりなど)自身の興味関心による自主学習を展開する。さらに自身の興味関心を軸に深める(マンガ創作・算数の発展問題に取り組むなど)。コメント交換タイム・優れた取組の紹介などクラス皆で取組を支えることが重要だ。以上は①伊垣尚人(2012)②福山憲市(2018)③須永吉信(2020)より。

❷外国につながる子どもの支援/「外国につながる子ども」の現状と課題

群馬大学教授  結城 恵

★「外国につながる子ども」は、日本の社会的なニーズや政策を受けて、今後も増加することが予想されている。教育の対象としてのこれらの子どもたちは、国籍だけでも多種多様であり、家族間の国籍や血縁関係も多様となるなど、1人1人の状況が大きく異なる。教育実践に当たっては、子どもの背景を理解するとともに、これらの子どもたちの課題として立ちはだかる「制度」「言葉」「文化」の壁による影響に気づくことが、障壁を取り除く第一歩となる。

❷外国につながる子どもの支援/バイリンガル教員としての外国につながる子どもの支援ーだれ一人取り残さないためにー

群馬県太田市立九合小学校バイリンガル教員  坂本裕美

★外国ルーツの子どもたちにも、小学校は、「日本語の学びの場」であるだけではなく、「知識や技能を習得する場」であるべきです。日本語は知識を得る手段にすぎません。本稿では私(著者)のバイリンガル教員としての歩みを振り返りながら、必要とされる支援について考えていきたいと思います。

❷外国につながる子どもの支援/定時制高校における外国につながる子どもの支援

東京都立町田高等学校定時制課程教員・文部科学省外国人児童生徒等教育アドバイザー  角田 仁

定時制高校では、現在、海外から来日した多民族、多言語、多文化を背景とする生徒たちの割合が増え、教室内で日本人の生徒たちと日常的に接し、お互いが影響を受け、多様性(ダイバーシティ)が尊重される豊かな教育環境が育まれている。多文化共生=「共に生きる」教育のフロンティアとしての役割が期待される。

❷外国につながる子どもの支援/外国人児童生徒の不登校-日本語教室の役割と多方面からの支援-

NPO法人トルシーダ代表  伊東浄江

★日本語で「意思疎通が十分にできない」「勉強が分からない」など大きな不安の中で暮らす児童生徒のために、「日本語初期指導教室」が設けられている。そこで学ぶ外国人児童生徒について共通理解をもち、学校や関係機関が外国人の児童生徒1人1人の課題に寄り添う経験を共有することで、必要な支援が見えてくる。

連載

巻頭言/それは突然やってくる 東京家政大学教授
平山 祐一郎
目標準拠評価を教育に生かす(13)国語の評価-簡単な評価基準を詳しい評価事例集で補完 教育評価総合研究所代表理事
鈴木秀幸
算数科で育てる「思考・判断・表現」する力(1)/子どもの思考過程に見える数学的な見方・考え方のつながり 明星小学校副校長・前筑波大学附属小学校副校長
夏坂 哲志
教育の窓(60)知能検査の活用①知能と知能検査 法政大学教授
服部 環
教育の窓(61)多重知性の可能性①ー看護学校の学生たちと多重知性との出合いー 二葉看護学院ほか非常勤講師
小田 勝己
特別寄稿/学びの支援に役立つ認知理論(4)ー学びの個別最適化と認知理論ー 大阪教育大学名誉教授
北尾 倫彦
いま必要な校内研修(2)効果的な校内研修のあり方を探る-校内研究を主軸にした学校経営 上級教育カウンセラー・ガイダンスカウンセラー・元東京都小学校学級経営研究会会長
谷戸玲子
「叱る」を考える(2)今、なぜ「叱る」を考えるのか 神田外語大学客員教授
嶋﨑政男
教科書をひらいて授業を創る(13)教科書の必要性が生まれる体育授業の未来とは 白鷗大学教育学部教授
内田雄三
「あきらめる」を肯定的にとらえる(2)「あきらめないこと」の重要性 十文字学園女子大学准教授
永作 稔
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